複雑な問題に挑むための”コレクティブ empublicメルマガ「根津の街から」 2018.6.23
empublicメールマガジン「根津の街から」 (2018年6月23日発行)
新しい書籍「ソーシャル・プロジェクトを成功に導く12ステップ」を発行しました!
複雑な社会問題を解決するために、力を持ち寄り、学び合いながら取り組むプロセスを紹介しています。
代表の広石と東京都市大学の佐藤真久教授の共著で、豊富な実践現場の経験を基に執筆されています。
特設ページからご覧ください https://empublic.jp/sp12steps
また、これまでのゼミ(問いかけ、サステナビリティ、複雑な問題)の参加者の方には、特別価格でご購入いただけます > https://peatix.com/event/399177/
<INDEX>
◆1◆ コラム「複雑な問題に挑むための”コレクティブ”」(広石)
◆2◆ 「シェアリング@千代田」(ちよだコミュニティラボ)が始まります
◆3◆ 活動報告 「社会教育」6月号、長野県「まちむら寄り添いファシリテーター養成講座」
◆4◆ 講座も10周年! 根津スタジオのプログラムなど
◆5◆ 編集後記
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■1■ コラム「複雑な問題に挑むための”コレクティブ”」(広石)
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新しい書籍「ソーシャル・プロジェクトを成功に導く12ステップ」を発行しました。
副題は「コレクティブな協働なら解決できる!SDGs時代の複雑な社会問題」というもので、ちっぽけな個人や組織が大きな社会問題に挑むために何が必要なのか? 個別の問題への対応ではなく、持続可能な社会をつくるために、どんなシフトが必要なのか? をまとめたものです。
テーマは「みんなで挑もう」ということで、個人も、企業も、行政も力を持ち寄るために、何に、どう気を付けたらいいかをまとめたつもりです。
この書籍の内容は、これまで各地域や企業の現場で取り組んできた方たちとの経験や根津スタジオの講座での様々な対話があってこそできたものです。関わってくださったみなさまに改めて感謝いたします。
本書の制作は、気楽に始めたのですが、思ったよりも難産でした(^^;)
最初、ラフに作成したものがあったのですが、読んでいただくと、なかなかうまく内容が伝わらない。
そこで考えて気づいたのが、「問題、問題解決といった言葉自体の捉え方、考え方のシフト」が大切ということです。
「問題解決」というと、問題を分析し、重要な原因を抽出して、それを取り除く考え方が一般的です。例えば、組織で問題が起きてると、「誰が悪いのか」を考えます。もちろん、誰か責任者をあげることはできますが、その人だけが問題を起こしている訳ではないのです。むしろ、誰かをスケープごーどにして悪者にすることで、既存の体質を維持することもあります。
以前、不祥事対応の専門の弁護士の方から
「大きな不祥事を起こす会社は、その前に小さな不祥事を起こしていることが多い」
とお聞きしました。小さな時にきちんと対応しなかったことが、大きな問題の芽にもなってしまうのでしょう。
小さな問題に、その場しのぎの対応をするのではなく、「問題の起きる構造」を見直すことが必要なのです。
しかし、小さな問題ほど「そこまでしなくても」とも思いがちですが、そこを避けることが問題を深めてしまいます。組織でも、地域でも、それは同様です。
多数の要素が相互作用している「複雑な問題」を単純化して一つの原因と解決策にまとめるのではなく、多数の解決策が相互作用しながら対応力を高めていく「複雑な解決策」が必要となります。
その時のカギが「コレクティブ(=持ち寄る)」な協働です。
当初、出版社から「コレクティブと協働は同意語では?」という指摘がありました。確かに、そうでもあるのですが、現状の協働は「コレクティブ」とは限らないのです。
例えば、「行政とNPOの協働」と掲げながら、行政が決めた仕様でNPOに業務委託をし、決められた通りに動くことを求める場合も少なからずあります。
地域の協働の基盤である組合活動が、組織的に動こうと上下関係になったり、組織の方針に縛られたりしがちです。
「みんなで挑もう」が「一体となって動こう」になり、「同じように動く」ことが求められてしまうのです。
「コレクティブ」の前提にあるのは、個々の自立・自律です。
それぞれが自分の考えや目標に向かって、自ら決めて動いていくことを前提としたうえで、目標やゴールを共有しているからこそ、コミュニケーションをし続け、お互いに学び合いながら、「決めた通りに」ではなく、「時々の状況で最適に」動けるような関係が、目指す姿です。
そのような関係を、どう作るか? ぜひ本書をお読みください! > https://empublic.jp/sp12steps
■2■ 「シェアリング@千代田」(ちよだコミュニティラボ)が始まります
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エンパブリックが千代田区と取り組んでいる「ちよだコミュニティラボ」では、今年度、「シェアリング@千代田」をコンセプトとした活動が始まります。
プライベート重視、サービスも行き届く都心で、なぜコミュニティが必要なのか?
それを昨年度一年間探求してわかったのは、「町をシェアしているから」という答です。
同じ町で生活し、仕事することで、メリットもリスクも共有している。
そのような「シェアしている関係」を基に、情報やリソースや、子育てなどもシェアできるのではないか?
シェアリングエコノミーの最新の動向も踏まえて、「町におけるシェア」を多面的に考えます。
千代田区の在勤者の方も活動している方もご参加いただけます。丸の内や霞が関、永田町で働いている方も、ぜひ!
詳細はこちらから> http://chiyolab.jp/share
■3■ 活動報告
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・情報誌「社会教育」社会教育6月号に代表広石の寄稿
「地域の力を生かして未来を拓く『学びの場』とは?」が掲載されました(http://social-edu.com/)。これまでの杉並区、文京区、千代田区などの「コミュニティ・アクション・ラーニング」の取組みを解説し、アクションを促す学びの場に必要なポイントをまとめています。
・長野県「まちむら寄り添いファシリテーター養成講座」がスタート
10年後、20年後に向けて持続可能な地域づくりを目指し、自分たちの地域の価値や可能性、 課題を捉えなおし、住民が主体となった活動の芽を産み育てる「対話を通じた学びの場」を地域住民の方々と共に作っていく方法を、座学と活動実践を組み合わせて学んでいきます。 https://www.pref.nagano.lg.jp/shinko/yorisoifacilitator/top.html
■4■ 根津スタジオより
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最新の講座の実施状況は、ホームページ https://empublic.jp/nez_studio にて
◆自分らしい次の生き方・働き方をデザインしよう
~自分への理解を深め、自分の軸(ミッション)を探る4つの対話
自分の今、これまで、これからを考える4つの対話から、仕事や生活について多様な視点からの問いかけ、自分にとって大切なことは何か、自分の価値は何か、これからすべきことは何かを考えます。ライフステージが変っていく人、転職などを考えている方、人生の節目に自分を振り返りたい方などにお勧め!
【実施日】
*平日夜開催! 火曜コース 6/26 18:45~
*土曜集中コース 7/14と7/21 10:00~15:45
【参加費】4回セット 14,000円(税込、茶菓付き)
【ファシリテーター】矢部純代
【詳細・申込み】 https://empublic.jp/8332
◆7/9 縁パブ「普通の人がどんどん成果を出すチームをつくるには?」
ワールドカップでも、能力の高い人ばかりが集まる「タレント軍団」が、力の劣ると思われているチームに負けることも起きています。企業や社会活動でも、学歴やキャリアのすごい人を集めても良い成果を出せるとは限りません。
成果を生み出せるチーム・パフォーマンスを高めるには、いったい何が必要なのか、参加者それぞれの経験を持ち寄り、対話を通して考えます。
【実施日】7/19(木) 19:00~21:40
【参加費】5,000円(税込、*茶菓付き) 問いかけゼミ修了生 3,500円(税込)
【ファシリテーター】広石拓司
【詳細・申込み】https://empublic.jp/8573
◆ゼミ「問いかけ力を磨こう」~月曜夜コース
・6/24(日)後半3コマ集中
・6/25 月曜夜コース・スタート
https://empublic.jp/questioning
◆雑談から始まるファシリと場づくり」「ワークショップ・デザイン(参加型の学びの場の創り方)」
*金曜コース 6/29(金) 13:00~
https://empublic.jp/5133 / https://empublic.jp/5162
■5■ 編集後記
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今年度も、育休後コンサルタント®の山口さんとのコラボで、「育休後カフェ®」を開催するための場づくり講座を開催しています。昨年度は、既に20名弱の育休後カフェ®・ファシリテーターさんが育ち、各地でカフェが開催されています。毎回、参加される方々の、自分のキャリアへの考え方、社会への発信力、パートナーとの関係性など、とても前向きでパワフルです。そして、確実にここ数年で社会が変わってきたことを感じます。こうした一つ一つの取組みや思いが、日本の「働きながら育児をする」ことのやりにくさを変えていくのではないでしょうか。(レポートはこちらをご覧ください https://empublic.jp/8583) (矢部)
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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第180号 2018年6月23日配信)
発行責任者=広石 拓司
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