言われたから考え・動くのではなく、自ら学ぶ文化をつくる。
そのために、試行錯誤を通して仲間と学びあう楽しさを伝えていきます。
経営から職員、上司から部下、企業から社会という一方向の伝達で、うまくいった時代は終わりました。
一方で、いくらコミュニケーションをとっても、「お互いから学びあう文化」がなければ、チームは強くなりません。
自ら学び、成長するための「学びあいの文化」を組織に定着させるお手伝いが、エンパブリックの仕事です。
- 私たちの考える課題
- 課題解決への基本的な考え方
- ソリューション&サービス/実践事例
1.課題 「成果につながる協力を増やすには?」
経済・社会の変化に対応し、さらに社会に変化を生み出していける組織を実現するには、他者と課題を分かち合い、従来に縛られないビジョンを設定し、その実現のために力を結集する文化が大切。
・・・と多くの人が理解しているのに、実行するのが難しい理由を、私たちは次のように考えています。
1)同質を前提とし、他者のスタイルを活かし、統合することに慣れていない
どの組織にも、「文化」があります。組織の文化とは、ミルトン・ベネットのいう「主観文化」(=行動や信念,価値観などが、集団の中で一緒に物事をやっていく上でパターン化され、不文律の行動規範となっているもの)であり、不文律なパターンであるがゆえ、内と外を分けるものになります。
内の人とはスムーズに物事を進めるが、新しい参加者や外部の人と物事をうまく進められないのは、主観文化の自覚と、異なる主観文化の人との価値観を統合していくプロセスに慣れていない場合です。
この課題は、社会と企業が価値を分かち合い、共に生み出すCSV(Creating Shared Value)においても、他社とのコラボレーションで新しい価値をつくるオープン・イノベーションでも、多様な職員を活かすダイバーシティ戦略においても、他業界からの転職人材活用でも、共通しています。
2)研修を現場の実践に結びつけることができていない
多数の充実した研修が実施され、受講した社員の満足度が高いのに、現場の実践に結びつけることができていない。特に、研修に参加した「個人の経験」を、現場での共有や実践につながらないのは、下記の3つの課題があります。
原因1) 研修参加者が受講=受け身の立場で参加し、後で自分が学びを伝える姿勢を持てていない。
原因2) 現場で、研修を受講した人の話を分かち合う機会が設定されていない。
原因3) 現場でうまくいくかわからない研修で学んだ新しい考え方や進め方をトライできず、従来の上長のやり方が優先される。
3)話し合うプロセスの楽しさの経験不足
会議がつまらないのは、それが学びあいの場になっていない時です。 話し合って充実感が持てない組織は、お互いに対話する相手から学べるものがないと相手に無関心な場合です。
組織内、チーム内で、結果ばかりが話題となると、それぞれが「自分(たち)のやり方」で結果を出せばいいとなり、同じような課題を抱える他者の経験を分かち合えず、できる人とできない人のギャップが埋まらなかったり、従来のやり方にこだわり、新しい方法を導入しづらくなっていきます。
4)できるリーダー、個人に頼り、その人は一人で動きがち
従来の組織ではリーダーが全てを仕切る強いリーダーシップが前提となり、メンバーはリーダーの仕切りに頼る受け身な存在になりがち。また、優秀な成績を出す個人は、成果を自分のものと考え、チームへのノウハウの還元を行うことは少なかった。その結果、リーダーによって差が開いたり、優秀な個人が抜けると成績が落ちることも少なくなく、組織としての底力の醸成につながっていない。
5)「変革後」への現場でのステップアップ・プロセスが不明確
組織トップが事業変革を行ったり、経営コンサルティングを活用して新しい仕組みを導入しようとしても、現場での動きがついてこない、抵抗感があるのは、変化後の自分の仕事の進め方や自分がどうなるのかが明確に見えていないからです。特に、既存の仕組みで成功してきた、頑張ってきたと考えている人ほど、変化への抵抗は強くなります。変化後、個々の社員がどうなるのか、一方的に説明するだけでなく、個々の社員が自分自身についてのイメージを持つことができ、自分も組織も中長期的にステップアップしていくイメージを分かち合っていく必要があります。
6)「どんどんやれ」と言っても、失敗は許されない
組織の中で、チームの中で、新しい取り組み・チャレンジが生まれないのは、「失敗したら、どうしよう」と考えるから。その時に、必要なのは「失敗しないよう準備する」ことではなく、「失敗に関するルール」を明確に共有することです。
新しい取り組みには、試行錯誤の時間が必要であり、必ず失敗が生じます。しかし、失敗は成功する方法を見つける唯一の方法であり、失敗を結果として咎めるのか、失敗を学びのプロセスとしてより良くなる機会とするのか。新しい挑戦の失敗を、組織としてどう考え、どこまでを良しとするのか、明確にする必要があります。「どんどんやってみろ」だけでは、メンバーは動けません。
2.基本的な考え方 「社員と組織の可能性を守り立てる」
解決策を急ぐよりも、問いを定め、学びあう関係から、組織の底力を
従来の研修は、受講者が「知らないこと」を教え、「できないこと」を習得させる「教育(Pedagogy)」の視点が中心でした。
私たちは、「大人の学びの理論(Andragogy)」に基づくワークショップによって、教えるのではなく、問いかける。経験を聴き、意味づけることで良いところを伸ばし、自ら課題に向き合う。対話力を高めることで、社員同士で学びあう関係を育むことに重点を置くことで、参加者が持つ力を自ら伸ばそうとすることを大切にしています。
1.業務の中でワークショップを活用する環境を整える
ワークショップは、日ごろ考えていても話せないこと、試せないことに仲間と共にトライできる場として活かせます。ワークショップを特別な場所で、特別なファシリテーターがいて行うものではなく、必要な人が、必要な時に、いつでも、どこでも活用できるように。ワークショップのノウハウを、日々の仕事の中で日常的に使えるようにツールやノウハウの提供、継続的に実行できる環境整備をお手伝いしています。
例えば、次のような場面に、ワークショップのノウハウを活かしてみませんか?
・ 異なる文化の人・組織とのコラボレーション
・ 熟練社員の経験値の若手・新人への継承
・ 働き方が多様な社員のチームづくり
・ 経営者と新人、若手社員との交流の機会
2.他者と失敗から学んでいく文化を構築する
自分とは違う考え・経験・立場の人から得ること(=学び)が面白いと思える「学びあう関係」と、新しい考え方を試行錯誤し、失敗しながら習得していく文化がなければ、どんな組織改革を行い、社員に研修を受けさせても、変化は起きません。
社員に眠る新しいアイデアや知識に関心を向け、実践を通して失敗を含めて学びあっていく文化をつくる担い手(コミュニティ・ラーニング・ファシリテーター)を増やすことが大切です。
3.「わからないこと」を出し合い、共に考え、つくるプロセスを設計する
企業と社会の関係性について、近年、CSV(Creating Shared Value:共有価値創造)という概念が広がっています。ただし、現在の企業のCSVは、「企業が社会ニーズを調べ、企業が社会に共有価値を提案する」という一方通行型の従来のマーケティングやCSRの延長になっている場合が少なくありません。
社会に解決策を企業が提案する前に、多様なステークホルダーと「何が解くべき課題なのか」という問いこそを共に考える対話を行い、関係性を構築することが大切です。各ステークホルダーと企業が、それぞれが自立しながらも、相互に刺激しあい、経験や知恵、人材を分かち合うことで、個も全体も成長できるマルチ・ステークホルダーのマネジメント力の向上を、私たちはお手伝いしています。
3.ソリューション&サービス / 実践事例
戦略・コンセプトから、現場の実践へ
経営や企画が新コンセプトを立案したり、新戦略や組織改革のコンサルティングをとりいれても、現場で新しいことへの学びができていなければ、実現はできません。貴社の可能性を実現する基盤づくりをお手伝いいたします。
a.ワークショップ実践プラットフォーム構築
組織の現場で課題解決や生産性向上、新価値創造のためのワークショップを、自ら実践していける環境づくりを、6か月~2年間かけて実現します。
- 現状の課題の把握とゴールの共有
- 実現に向けた実施期間の計画の立案
- ゴールと計画を踏まえて、プログラムと実施ガイドをカスタマイズし提供
- 実施期間の開始後、ワークショップ準備ミーティング、定例ワークショップの実施・スーパーバイズ+ふりかえりミーティングを実施
標準価格
- 課題分析とゴール設定、計画立案 (4回のミーティング) 60万円(+税、交通費)
- 実施期間(プログラム提供+定例ミーティング) 28万円/月 (+税、交通費)
社内研修・イベントでのワークショップの実施のお手伝い
参加型交流会、社内イベント、研修会でのワールドカフェなど参加型プログラムの開発と提供を行っています。
- 企画・プログラム提供と実施者へのレクチャー 18万円(+税、交通費)
- 企画・プログラム+弊社スタッフによるファシリテーション 30万円(+税、交通費)
b.ソーシャルビジネス、CSV活動のサポート
会社・組織は社会の中にある。そんな当たり前のことを、日常の仕事に打ち込むことで忘れてしまう。
営業だから、自社の商品・サービスを売っていればいい時代は終わりました。
社会の困っていること、これまでの市場の負の部分を避けて通れない時代、ビジネスの世界だけでなく、地域と共に考える、地域の人と共に新しい活動を生み出す力が、現場の職員にも必要になっています。
その力は、会社の中での研修や視察では身につきません。
実際に社外の異なる価値観の人たちと対話をし、フィールドで人と語り合い、共にゴールを見つけ、不利な状況の中で事業化する方法を生み出す。その実践プログラムの開発・実施をお手伝いしています。
標準価格
- 地域貢献、ソーシャルビジネス、CSVに関するワークショップ(企画担当向け、社員向け) 3時間 18万円(+税、交通費)
- マルチステークホルダーミーティング実施の企画・コーディネート・ファシリテーション 60万円(+税、交通費)
- 社員参加の実践型プログラムの企画・実施 6か月 300万円~
c. ばづくーる 個人利用、法人利用
場づくりや仕事づくりコーディネーターのためのリソース・サイト「ばづくーる」では、一人ひとりが自ら学んでいける環境づくりとして、現場での実践をサポートするコミュニティ・サービス「ばづくーるラボメンバー」、実践を通して学ぶ「ばづくーるスクール」を提供しています。
個人利用に加え、法人での活用も可能です。お気軽にお問合せください。