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ソーシャルプロジェクトを成功に導く12ステップ
コレクティブな協働なら解決できる! SDGs時代の複雑な社会問題
小さな個人・組織・会社がつながり、協力して、大きな社会を動かすには、どうしたらいいのか?
そのための考え方とプロセスを、12のステップに整理!
社会で起きている問題に挑もうと考えている方のためのガイドブックができました。
今、社会で起きているたくさんの問題、例えば子育てストレス、介護負担、貧困、地域活性化、気候変動、国際紛争などの問題について、「資本主義が悪い」「あのリーダーが悪い」など“悪者探し” をしてしまいがちです。しかし、一生懸命に悪者を探しても、現代の問題は、何が悪いのか、何が原因なのか、一つに定められず、よくわからないのです。
そのような問題を解決するには、複数の解決策が相互作用しながら問題に対応できる状況をつくる、言い換えるなら“問題に対応できる社会システム” を生み出す必要があります。
「社会システムを生み出す」というと”ちっぽけな自分”には何にもできないと思ってしまいがちですが、私たち一人ひとりにできることが“ちっぽけな” ことだからこそ、多くの人が参加でき、多くの人の力を活かせる可能性があります。
会社員も、地域活動の担い手も、政府・自治体の職員も、大学など専門機関の人も、自分の経験やアイデア、できることを持ち寄ってつながり、連動して動いていくことができれば、それぞれの問題対応力が高まり、問題に対応できる仕組みも整っていくでしょう。それが成功した時が、“問題に対応できる社会システム” を生み出せた時です。
暮らしやすい、新しい社会を生み出すために、12ステップへ踏み出しましょう!
本書の特徴
特徴1
これまでの問題解決法で解決できない”複雑な問題”に挑むための「社会システム・アプローチ」を解説
これまでの問題解決法の基本は、「要素に分解→個別に分析→重要な要因を同定→それを取り除く」という線形的な進め方が一般的でした。
しかし、多数の要素が相互作用しながら生じている複雑な社会問題に対しては、単純化し、線形的に進めるアプローチは効果的ではありません。問題を起こす背景にある社会システムを理解し、その社会システムの変容を促すことで問題の予防・対応ができる社会をつくる「社会システム・アプローチ」による問題解決の進め方を解説しています。
social ecological model × combined capability による社会システム・アプローチ(本書図表をカラー化)
特徴2
多様な主体と協力してソーシャル・プロジェクトを進めるための「協働ガバナンス」を基にした12ステップを解説
「多様な主体と協力して」と言われますが、現実には価値観や考え方の異なる他者と組むことはとても難しいものです。 多様な主体が協力し、社会問題の解決につながる成果を生み出すのに必要なプロセスと機能、考え方をまとめたのが「協働ガバナンス」のモデルです。 環境省の協働取組支援などで活用され、成果をあげている「協働ガバナンス」の基本的な考え方から実践方法までを12のステップにまとめました。
協働ガバナンス・モデル図 (本書図表をカラー化)
特徴3
これまでの考え方のどこを、どのようにシフトして、新しい考え方を取り入れていけばいいか、対照しながら解説
今、社会は大きな変革期の真っただ中です。それゆえ、その人がどのような人と接し、何を読んでいるか等によって、物事の理解やアプローチは大きく異なっています。「問題解決」「協働」など一般的な言葉であるほど、前提としているイメージが違うことで意見のすれ違いも起きやすいもの。
「分解・個別・線形的な問題解決」から「動的で包括的な問題解決」にシフトするには、用語や進め方の何を、どうシフトする必要があるのか、具体化しました。
「話が合わない、通じない」と思った時に、共に本書を読むことで、コミュニケーションを進める舞台を整えるのに役立つ本になっています。
(本書本文の一部をカラー化)
特徴4
理論を踏まえながら、著者の豊富な実践現場の経験を反映
著者の二人は、20 年来、環境問題や福祉、地域づくり、国際協力など多様な社会問題に対する数多くの問題解決プロジェクトに、時に現場で自ら実践する立場で、時にコンサルティング・アドバイス・評価をする立場として、また担い手育成の立場で関わってきました。扱う組織も大企業、中小企業、NPO、個人の社会起業、協同組合、中央政府、自治体、地域組織、大学・研究機関、国際機関など多様であり、事業規模も何億円ものビジネスからボランティア活動まで、多種多彩の取組みに関わってきました。
そのような多面的な立場から、多様な事業を見ると同時に、理論的な研究もしてきたからこそ、ソーシャルプロジェクトの現場でのコツを、コンパクトにまとめることができています。
著者紹介
佐藤真久 東京都市大学大学院 環境情報学研究科教授。
筑波大学第二学群生物学類卒業、同大学院修士課程環境科学研究科終了。英国国立サルフォード大学にてPh.D取得(2002年)。地球環境戦略研究機関(IGES)の第一・二期戦略研究プロジェクト研究員、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)の国際教育協力シニア・プログラム・スペシャリストを経て、現職。現在、国連大学サステイナビリティ高等研究所客員教授、ESD円卓会議委員、NPO法人ETIC.理事などを務める。
広石拓司 株式会社エンパブリック代表取締役
東京大学大学院薬学系修士課程修了。三和総合研究所(現・三菱UFJリサーチ&コンサルティング)勤務後、2008年株式会社エンパブリックを創業。「思いのある誰もが動き出せ、新しい仕事を生み出せる社会」を目指し、地域・組織の人たちが知恵と力を持ち寄って仕事づくりを進めるための実践支援プログラムを開発・提供している。慶應義塾大学総合政策学部、立教大学経営学部、同大学院21世紀社会デザイン研究科などの非常勤講師も務める。
目次
第Ⅰ部 ソーシャル・プロジェクトの成功に求められる視点・視座
第1章 ソーシャル・プロジェクトの成功の条件
第2章 コレクティブな協働へ―問題解決に関わる用語の定義をシフトしよう
第3章 コレクティブな協働を実践するための協働ガバナンス
第Ⅱ部 コレクティブな協働ガバナンスの考え方・進め方12ステップ
◆第4章◆問題解決の前提を整える協働―課題の再発見とゴールの明確化
Step1.現状の課題認識を分かちあおうーいったい、今、何が起きているのだろう?
Step2.何がゴールなのか話しあい、分かちあおうー社会システム全体での対応力を高めるイメージを描く
Step3.「協働」への準備(レディネス)を整えようー違いやこれまでの枠組みを超えて協力するには?
◆第5章◆問題解決の 運営基盤を整える協働ー計画策定と運営制度整備
Step4.パートナーを見出し、参加を誘発しようー誰と組むべきか? 相手の積極的な参加を促すには?
Step5.共有の目標と達成への戦略的計画を立てようー何を達成し、そのためにどう進めていけばいいのか?
Step6.運営制度を設計しようーどのように役割分担し、体制をつくるのか?
◆第6章◆問題解決の 推進力を強化する協働ー継続的改善と中間支援
Step7.場づくりを活かした関係性の改善力の強化ー何をどう分かちあうと、もっと協力できるのだろう?
Step8.「社会的学習プロセス」を強化しようー継続し、改善し続けるには、どのような「学び」が必要なのか?
Step9.「チェンジ・エージェント機能」を強化しようー関わる人たちの変化とレベルアップを促すには?
◆第7章◆成果を生み出し、定着させる協働ー継続力強化と成果の見える化
Step10.資金や人材を集め、継続力を高めようー資金や資源をどう集め、どう効果的に運用するのか?
Step11.「協働」の活動結果(アウトプット)と成果(アウトカム) を評価しようーどのように成果を捉え、次の一歩につなげていけばいいのか?
Step12.政策や制度として社会に定着させようー自分たちの限界を超えるには、誰と、どのように進めていく必要があるのか?
こんな方にお勧め!
新しい取組みを始めている方、始めたい方
- 社会問題の解決に役立つ活動や仕事をしたいと考えている方
- 地域や企業などと連携して、より大きな成果を生み出したい社会起業家、NPOスタッフの方
- 社会課題解決型の事業を始めたいビジネスパーソンの方
- 新しい担い手の参画や協力を促したい地域活動の担い手の方
- 地域の多様な人や活動を活かして、持続可能な地域づくりを進めていきたいと考えている自治体、政府の方
- 地域の協働、活動の立上げ、継続・発展をサポートしている中間支援機関の方
- SDGsに向かって、誰一人取り残されない、持続可能な社会に向けて動き出したい方
協働や連携で悩んでいる方、壁を感じている方
- 地域との連携、CSV、ソーシャルビジネスなどの取組みで、他者との連携や協働の難しさの壁にぶつかっている方
- 協働推進、地域産業クラスター、地域包括ケアの担当となったが、どう進めていけばいいか悩んでいる自治体の方
- 自分たちの新しい考え方が、組織や地域のベテランの人たちに、うまく伝わらないと悩んでいる方
多様な主体の集う問題解決の勉強会の教材として最適です
本書は、背景や価値観の違う人たちが協働して問題解決に挑むために必要な考え方を学べることに加え、それぞれが自分の考えを見直すきっかけとなるように構成されています。 多様な主体が集うプロジェクトで、本書を教材に勉強会をすることで、基礎知識や基本的な考え方のすり合わせ、共有基盤づくりに役立ちます。
ご購入について
関連プログラムについて
エンパブリックでは、本書籍の内容の理解を深める、また実践にあたっての具体的なノウハウを体験的に学ぶための学びのプログラムを提供しています。
問いかけ = 問い(=目指す姿と現状のギャップ)+声かけ・気をかける
他者やメンバーと関係をつくるために、問題の本質を探り、未来の状況をデザインするために、自分の「問いかけ」を見直してみませんか?
ゼミ「問いかけ力を磨こう~~本質を探り、変化を生む場をつくるために」(全6回)
ゼミ「複雑な問題の解決に挑むためのダイナミック・パートナーシップ実践法」(全2回)
本書の内容のエッセンスを講座、対話、自身の活動のふりかえりを通して学べるプログラムです。複雑な問題には「動的(ダイナミック)な協働」が不可欠です。どのように複雑な問題を捉え、どう進めていけばいいか、考えます。