住民主体のヒント~empublicメールマガジン「根津の街から」(2020年5月15日発行)

◆empublicメールマガジン「根津の街から」 -◆
(2020年5月15日発行)

昨日、39県で緊急事態宣言解除となりましたが、まだ予断を許さない状況が続いています。
みなさま、お元気にお過ごしでしょうか?

5/2の12周年へのお祝い、「問いかけカード使ったよ」という嬉しいメッセージもいただき、改めてみなさまに感謝しております。
12周年記念ワークショップの第1弾として、「イマドキの地域のつながりって?」を6/10夜にオンラインで開催します。
また、いよいよ書籍「専門家主導から住民主体へ」の発売が始まります。
12周年のテーマ「新しい日常につながる対話」をどのように広げていくか、考え、トライしていきたいと思います。

ー<INDEX>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆1◆ 【コラム】住民主体のヒント~聞いてないぞ!の真意(広石)
◆2◆  [問いかけカード & online workshop] オンライン対話の設計とファシリテーション
◆3◆ [対話] イマドキの地域のつながりって? ~ 2020年春に経験したこと、考えたことをシェアしよう
◆4◆ [対話] 2020年に考える”子育てしながら働く”とは?
◆5◆ 編集後記
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◆1◆【コラム】住民主体のヒント~聞いてないぞ!の真意(広石)
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専門家の指示や危機感だけでは、住民は動いてくれない。
住民任せにしても、地域課題の解決への参画が広がらない。

それでは、住民主体の活動が広がるには、どのような場が必要なのでしょうか?
住民主体を促したい専門職や活動者は、どのように動けばいいのでしょうか?

この課題について、私たちが経験から学んだことを中心にまとめたのが書籍「専門家主導から住民主体へ」です。

今回、書籍を作ろう考えたきっかけは、地域包括ケアシステムの現場で、
特に「介護予防・日常生活支援総合事業」の地域づくりで、苦労している方に多く出会ったからです。

介護保険の創設の目的委は、要介護状態になった人を社会的に支えることです。
しかし高齢者が人口の約3割となり、要介護者も増え、社会コストが拡大する中で、
要介護度を増やさない=「予防」が大切になってきました。

それは医療でも同様です。医療者は重篤な患者に関心が向きがちです。
意欲的で優秀な先生は難しい手術など高度な治療に向かいがちで、「予防は保健師の仕事?」と考える人もいます。
危ない病状の命を助けることは尊い仕事ですが、悪化する前の予防が数段レベルアップすれば、より多くの命を助けることができます。
それは医療だけでなく、介護でも、気候変動でも、DVでも、防災でも、経済でも同様です。

これからの社会の命運は「予防」のレベルをどれだけ高められるかにかかっていると言えるでしょう。

ただ、難しいのは、重篤な患者の治療、要介護の高い人への介護サービスは専門家が主導できます。
しかし、予防は、住民の日常生活において成否が分かれます。

新型コロナウィルス対策でも、手洗い・うがい・ソーシャルディスタンスは、一人ひとりの意識次第です。
専門家が危機感を持ち、発信しても、それを住民が聴き、受容し、自ら行動変容しなければ、予防は成功しません。
たとえ専門家が正しくても、住民とのコミュニケーション次第で失敗しうる。
「コミュニケーション」は、予防の本質の一部です。

そこで鍵となるが「共に決める」ことです。
新しいことを始めようとして上司や地域のベテランが反発する時に「聞いてないぞ!」と言います。
「聞いてない」とは、ただ情報が届いていないことを意味しません。
「自分の知らないところで決められていた」ことへの反発が「聴いてないぞ!」となります。

専門家が正しいことを考えても、どうするか決めてしまわない。
決めるまでのプロセスを共有し、「共に決めた」となるデザイン、そこへの向き合い方が大切です。

ただ、それを実行するのは難しく、私たちも四苦八苦しながら学んできました。
その学びを書籍にまとめましたので、多くの分野の方に手にしていただければと思っています。

○書籍「専門家主導から住民主体へ」 5月20日発売!
現在、先行予約特別価格1,650円(定価1,980円)で販売中です!
書籍特別価格販売とワークショップの受付はこちら https://peatix.com/event/1475790/
○書籍特設サイト https://empublic.jp/communityin
○【特別公開】書籍導入部を無料で公開 https://empublic.jp/10678

◆2◆ [問いかけカード & online workshop] オンライン対話の設計とファシリテーション
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新型コロナの拡大が落ち着き、再開への準備を始める今こそ、
「今の状況を分かち合おう」「チームのこれからを話そう」の問いかけカードをご活用ください。
https://empublic.jp/teamt2oikake

オンライン対話を活性化するために、問いかけカードを使いこなすために、
オンラインで話して改めてファシリテーションの大切さを感じた方のために、
問いかけカードの背景にある場づくりの考え方をお伝えし、オンライン対話を充実する方法を共に考えるワークショップを開催します。
第1回の参加者の方から「オンライン対話ならではの可能性があることに気付いた」
「問いかけカードの構造を理解することで、対話の問いかけ方、組み立て方のイメージがわいた」
などの声をいただいています。

詳細・申込は、各日程のpeatixページから
・5月16日(土)10:00~11:40 > https://peatix.com/event/1475743/
・【新日程!】6月5日(金) 20:15~22:00 > https://peatix.com/event/1489141/
参加費 2,000円

◆3◆[対話] イマドキの地域のつながりって? ~ 2020年春に経験したこと、考えたことをシェアしよう
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地域のつながりは大切だけど、難しいもの。ただ、災害などの困難な状況び度に浮かび上がるのも「地域のつながり」でしょう。
2020年、私たちはCOVID-19の拡大の中、働き方も暮らし方も見直すことに迫られました。

そんな中、「地域」や「つながり」について、あなたはどんなことを感じましたか?
この時点で一度ふりかえり、2020年後半から来年にかけての新しい日常をつくるヒントにしませんか?。

イベントでは、3人の方からこの春の経験と考えたことを話していただき、そこから対話を進めていきます。
・勝連万智さん(ちよママ):千代田区のママをオンラインでサポート
・古市太郎さん(文京学院大助教) 贈与・共助の社会哲学者であり、地域活動の実践者
・藤沼康樹さん(家庭医) 地域に根付き、包括的に人を診る、家庭医のリーダー的存在

日時 6月10日(水)20:00~22:00 @オンライン
価格 1,800円
参加申込 > https://peatix.com/event/1488989/

◆4◆[対話] 2020年に考える”子育てしながら働く”とは?
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育休後コンサルタントの山口理栄さんと取り組んでいる育休後の働き方などを話し合う場の育休後カフェの活動。
山口さんが初めてから10年がたち、この10年で育休後の働き方が大きく変化しました。一方で、まだまだ変わらない苦労や新しい課題も。また、コロナウィルスの感染拡大は働き方を大きく変えようとしています。

この10年を振りつつ、休校や休園で働き方を見直せざるを得なくなったビジネスパーソンのお話もヒントに、これからの”子育てしながら働く”を自分らしく充実したものにするにはどうすればよいか一緒に考えませんか。

日時 5月31日(日)13:30~15:30 @オンライン
価格 2,000円
参加申込 > https://peatix.com/event/1485426/view

◆5◆編集後記
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「2」でご紹介した『今の状況を分かち合おう』の最初に、「この3日間で自分に起きたいいことは?」という問いかけがあります。皆様はいかがですか?
私は、実家に(設定も全部すませて)送ったスマホを、苦戦の末ようやく両親が使いこなし、ついにLINEビデオ通話が自在にできるようになりました。80歳オーバーの父が地域活動も全部なくなりふさいでいたのですが、スマホを使いこなすことに熱中し元気が出たと母に感謝されたり(笑)。
5/11に開催した「オンライン対話の設計とファシリテーション(夜の部)」では、「オンライン会議は、積極的にいいものなんだ!」というのは目から鱗だったというご意見もあり、その日のコツを「明日から実行します」とのご意見も多数でした。

大変な状況を支えて下さっている方に感謝しつつ、新しい道具も柔軟に取り入れながら、コミュニケーションを取り続けて参りましょう。オンライン講座でお目にかかれたら、お声がけください!(高橋)

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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第197号 2020年5月15日配信)
発行責任者=広石 拓司
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