図式化vs多様性 – empublicメルマガ「根津の街から」(2017年3月4日)

◆図式化vs多様性 – empublicメールマガジン「根津の街から」 -◆

(2017年3月4日発行)

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2/25に山形県鶴岡市の鶴岡ナリワイプロジェクトの報告会に参加してきました。
始まる前は「主婦で起業する人なんていない」と言われていたそうですが、2年間で30人が小規模な起業を立ち上げました。一人ひとりに眠る力を大切に守り立てることで、新しい仕事を生み出せる可能性を改めて感じました! (広石)

<INDEX>

1.コラム「住民って誰? ~ 図式化vs多様性」

2.一人ひとりを守り立てるプロセスを、ともに考えましょう!

・コミュニティ起業コーディネーター講座(入門編) 3/20

・ゼミ「問いかけ力を磨こう」 3月集中講座、4月~木曜夜コース

3.「readiness for 2025」杉並区でのワークショップ情報など

4.編集後記

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 ◆1◆ コラム「住民って誰? ~ 図式化vs多様性 」(広石)

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「地域住民の参加が必要」「地域の高齢者のために」「主婦が顧客」といった表現を日常的に使っています。

その時に注意が必要なのは、「地域住民」「高齢者」「主婦」と一括りにしてしまうことで、無意識のうちに、その集団にいる人を同質的な存在と考えがちだということです。実際には、「地域住民」「主婦」「高齢者」には、実に多彩な経験や知識、スキルを持つ一人ひとりが含まれています。

当たり前のようなことですが、意外と見落とされがちだと思います。

以前、地域プロジェクトの発表会に参加した人が「地域の50代の人が、すごく上手なプレゼンをしていて驚いた」という感想を話していました。「あの人は大手電機メーカーの**社で事業開発をしている人だ」と話すと、「なるほど!」と。
「地域住民が地域活動について発表する」というと、発表者をビジネスとは別の世界の人として見てしまい、ビジネススキルも弱いだろうと考えてしまいます。しかし、地域に暮らす人は、それぞれ仕事をしており、多面的な経験を持っている存在です。

心理学に「スキーマ」という用語があります。
対象の認知や判断を効率的に行うために、図式化して認識することを意味します。
日本人は」「団塊の世代は」「ゆとり世代は」と、傾向や特徴と思われることで一括りにして扱うことです。スキーマは悪いことでなく、それがあるからこそ、多数の情報を処理でき、効率的に物事を進めることができます。また、「この人は???だから」と考えることで、自分とは違う考えの人を受けとめやすくなる効果もあります。スキーマは必要なのですが、図式化していることに無批判でいると、知らぬうちに「決めつけ」になってしまいます。

アメリカで、中東7か国の人の入国を禁止するというニュースを聞くと、「おかしい」「全員がテロではないのに」と思ってしまいます。
ただ、それは、私たちが「日本人は」「地域住民は」「高齢者は」と一括りにしていることにもつながっています。

一人ひとりの個性に関心を持つこと。

その大切さを多くの人が理解しているのですが、実行はとても難しいものです。
「自分とは意見が違う」「あの行動はわからない」と感じた時、一歩踏みとどまって、「どうして、あの人はそうするのだろう?何がそうさせているのだろう?」と相手に関心を持ち続ける問いかけをしていくこと。

そこから多様性が始まるのでしょう。

 

◆2◆ 一人ひとりを守り立てるプロセスを、ともに考えましょう!

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 〇 コミュニティ起業コーディネーター講座(入門編)
~ ソーシャルキャピタルを活かす起業支援の手法 <3/20開催!>

地域に暮らす一人ひとりの経験や知識、スキル、そして思いを地域で活かす最も効果的な方法は、「対話を通して、自分たちを活かす仕事をつくる」ことだと私たちは考えています。
地域に新しい仕事が生まれることで、新しいつながり、新しい役割が地域に生まれます。

そんな地域に根付いた起業には、お金の資本以上に「関係性の資本=ソーシャルキャピタル」という元手が重要な意味を持ちます。

都市、地方での実践経験と事例分析を基に、地域で新しい事業・活動を立ち上げ、成長していく環境を整える「コミュニティ起業コーディネーター」に必要なノウハウを学ぶ講座を開催します。

*日時:3月20日(月・祝) 10:00~16:00

*詳細・申込 https://empublic.jp/6791

 

〇ゼミ「問いかけ力を磨こう」 3月集中講座、4月~木曜夜コース

「問いかけ力を磨こう」で大切にしているのは、「答を求めるだけの問い(question)」ではなく、 周りの人たちに働きかけながら、ともに本質を探る「探求としての問い(inquiry)」です。

同時に、出来事や人の言動の背景にある「文脈(context)」を丁寧に把握し、それを踏まえた次のアクションを生み出すための視点・視野・視座の持ち方も演習と対話で学びます。

多忙のため、遠隔のため、何度も行くのが難しい方のための集中開催、4月からの木曜夜コースの募集を行っています。ぜひ、この機会にご参加ください!

*3月集中開催 3月25日(土)・26日(日) 2日で6コマを集中して

*4月スタート木曜夜コース 4月20日(木)19時~ 全6回

*詳細・申し込みはこちらから  https://empublic.jp/questioning

 

〇ワークショップ・デザイン(参加型の学びの場のつくり方)
〇雑談から始まるファシリと場づくり(つながりと協力を促すファシリテーションの基礎)

一人ひとりの可能性を守り立てるために、どのような場づくりが必要なのか。
学びの場のプログラム開発に焦点をあてた「ワークショップ・デザイン」、ファシリテーション体験から学ぶ「雑談から始まるファシリと場づくり」
新年度のスタートに、セットでいかがですか?(セット割あります!)

*ワークショップ・デザイン 4/8(土) 10:30-16:30
*雑談から始まるファシリと場づくり 4/7(金)19:00-22:00

根津スタジオ・ページよりご確認ください https://empublic.jp/nez_studio

 

 

 ◆3◆ readiness for 2025 : 2025年の地域・仕事・自分を語ろう

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「readiness for 2025」は、今、起きている変化(未来の芽)に向き合い、2025年に充実した仕事を行うための変革促進プログラムです。 好評いただいている情報誌「readiness for 2025」に加え、地域や根津スタジオでの対話も実施しています。

 

 *すぎなみ大人塾・すぎなみ地域大学特別講演会 「2025年のすぎなみと自分を考えよう

日時 3月12日(日)14時~ 会場 セシオン杉並(東高円寺)

杉並区で「readiness for 2025」をテーマにした講演を行います。
現在の生活や仕事が未来につながっている「未来の芽」を探す公園とワークショップです。

 

 *根津スタジオ「2025年の自分と仕事を考えよう

日時 4/16(日) 13:00~17:30

情報誌「readiness for 2025」で紹介しているm変化を考える対話プログラムを体験し、自分たちで実施する際の対話のポイントを学びます。 2月実施を踏まえて、より充実した対話となるよう改訂しました。

上記の詳細は特設ページ https://empublic.jp/readiness-for-2025 にて。

情報誌も好評発売中です!

 

 

 ◆4◆ 編集後記

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あたたかくなり、花粉も飛び交い、マスクが手放せない季節です。

それでも、通勤途中に梅や桃の花に出会ったり、家の小さなプランターにチューリップの芽を発見したりすると、春だな、嬉しいな、と思います。
お散歩したくなる時期だからでしょうか、エンパブリックのサイトでは「まちあるき」ワークシートのダウンロードが増えていたりもします。
それぞれに春の到来を楽しめますように。 (佐藤)

 

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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」

(第163号 2017年3月4日配信)

発行責任者=広石 拓司

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