empublicメールマガジン「empublicは17周年を迎えました」~根津の街から(2025年5月2日)
エンパブリックは2025年5月2日に17周年を迎えました。
これも日々、多くの方に支えていただいているからこそだとスタッフ一同、心から感謝しています。
今年はエンパブリックを次のステージに推し進める新しいチャレンジの一年にしたいと考え、現在、準備を進めています。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
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◆1◆【広石コラム】empublicアップデート(2):コトとしての実践知を介して、つながりと変化を生み出す会社へ
◆2◆ ソーシャルな活動と暮らしとのギャップを埋めるには?
(5/9)暮らしの中にある“市民らしさ”って?~市民観のシフトを考えよう!
(5/30)分かち合い、共に生きる地域を実現するための社会と経済のシステムとは
◆3◆ empublic Studio開催イベント案内
(5/7)AIを対話の中で効果的に使うには?
(5/12) 演劇活動にお金が回るようにるために必要なことは?
◆4◆ 町会・自治会などの運営のヒントに! 地域コミュニティ運営 実践講座
〜“これまで通りの運営”から、“これからを見据えた、私たちらしい運営”へ
(45分×全8回)
◆5◆ 社会問題の複雑さに挑むための 思考と実践のフレームワーク25
◆6◆ empublic Studioラジオ「empublicの一語一歩」
◆7◆ 編集後記~新しく参画した片山ときです
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◆1◆【広石コラム】empublicアップデート(2):コトとしての実践知を介して、つながりと変化を生み出す会社へ
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「ワークシートやフレームワーク、マニュアルは、知識をモノとして扱っている」
その気づきから開催したのが、5月1日まで全4回の「コミュニティの課題解決力を高める 知識の共有・創造・活用の方法を考えよう」でした。
このプログラムのテーマは、野中郁次郎先生たちの知識創造理論を地域やビジネスの現場で効果的に活かす方法です。
そこで教材として、私も授業を担当している立教大学経営学部の学部長の廣瀬文乃先生の書籍「マンガでやさしくわかる知識創造」を利用しました。
この本の中で、先進事例分析やマニュアル化などナレッジ・マネジメントは知識を「モノ」として扱っている。しかし、知識を活かしたイノベーションを生みだすナレッジ・ベースド・マネジメントは知識を「コト」として扱っているという内容に出会いました。
この文章が、この数年、私の中で問題意識を持っていたことにぴったりときたのです。
empublicはミッションとして下記を掲げてきました。
日々の暮らしや仕事で、目の前にある課題に気付いた人が、
周りの人たちの力を活かし、協力して解決していく。
そのプロセスに必要なノウハウを、
多くの人が使える形に体系化し、普及していきます。
特に最後の「ノウハウを多くの人が使える形にして普及する」ために、
ワークシートなどのツールや場づくりの型を作り、広げることも重視してきました。
ただ、それに取り組む中で、難しさを感じることも多くありました。
ワークシートや場の型は、先行的な活動者の経験から生まれた知恵やノウハウを、多くの人が使えるようにしたものです。
ただ、利用者の多くはワークシートを回答用紙のように、個々の項目の説明に対応して内容を書くことになりがちです。
本当はワークシートの項目の配置や関係性に、考え方・進め方のフレームや文脈があるのですが、フレームや文脈を理解していなければ、それを読み解くことは難しい。
「フレームに慣れていない人のためなのに、フレームを理解していないとシートを使えない」という矛盾が起きてしまいがちなのです。
これは、場の型や人を扱う仕事のマニュアルにも当てはまります。
初心者の人に役立つように!困らないように!と考えてマニュアルをつくっても、丁寧になるほど分量も多くなる。
本来の対象者である初心者は、将来の現場で起きうる状況や文脈が想像できないと紐づけて捉えていないので、読んでも頭に入らないし、何か起きてもマニュアルのどこを読むかもわからない。
その結果、「良いマニュアル」ができても、使われない。
このような状況の中で、冒頭の言葉の気づきがありました。
私たちはワークシートや型、マニュアルという経験や知識の詰まったものを「モノ」として手渡して、伝達しようとしているのではないか。
例えば、成功事例も、事例の情報を「モノ」として伝え、慣れない読み手に「うまく使ってね」と委ねてしまっているのではないか。
知識共有の目的は「知識をモノのように渡す」ことではなく、「受取手が自分のしたいコトを起こすために知識を使えるようになる」ことこそが大切です。
だからといって、ワークシートや型、マニュアルが不要な訳ではありません。
ただ初心者にマニュアルを渡すのではなく、初心者とベテランが一緒に動き、現場で起きた状況の中で「こんな時はマニュアルのここがこう使えるよ」と共有し、さらに一緒に動きながら書かれた内容を微調整して使いこなしていく。
マニュアル等の“形式知”は、現場の使いこなし方の共同体験という“暗黙知”とつながって初めて活きる。このやりとりから生まれる“実践知”が「コトとしての知識」です。
ふりかえれば、エンパブリック自身も個々の現場でこのように取り組んできたのですが、empublic Studioなどのサービス展開では、そこを自覚的に価値化できていなかったことに気付いたのです。
知識は人が生み出し、使うものです。ですから、人と知識がつながることは、知識を介して人と人とのつながりも促進できます。
同時に、知識は新しい状況を創造する力になります。だから、知識を分かち合うコミュニティがイノベーションを促進します。
この視点を大切に、18年目のエンパブリックは、この経験シェア・知識・つながりを変化と価値を生み出せるような仕組みづくりを進めていきたいと考えています。
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*知識創造のプログラムを【動画講座】としてご覧いただけます。
「コミュニティの課題解決力を高める 知識の共有・創造・活用の方法を考えよう(動画版 全4回)」
参加申込みはこちらから https://peatix.com/event/4402957
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◆2◆ソーシャルな活動と暮らしとのギャップを埋めるには?
(5/9)暮らしの中にある“市民らしさ”って?~市民観のシフトを考えよう!
(5/30) 分かち合い、共に生きる地域を実現するための社会と経済のシステムとは?
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社会や地域を良くしたい!という思いは共有しているのに、「ソーシャルな活動」と「暮らし」にギャップは生じがち。その間を埋めるには、どうしたらいいか?
各地で広がる“分かち合いや”人や自然と共に生きる“を大切にする活動やコモンズやギフト経済の動きをヒントに、ソーシャルと暮らしのギャップを埋め、つながりを広げる方法を一緒に考えてみませんか?
書籍「市民的コモンズとは何か」を上梓された駒澤大学文学部教授の李 妍炎さん、贈与論の昭和女子大学人間社会学部教授の古市 太郎さんを迎え、暮らしを起点に市民性や社会活動を考える視点を深めます。
〇暮らしの中にある“市民らしさ”って? ~「’えらい人’による市民社会」から「分かち合い、共に生きる地域」への市民観のシフトを考えよう
開催日:2025年5月9日(金)20:00~21:45
詳細・申込 https://peatix.com/event/4348270
〇分かち合い、共に生きる地域を実現するための社会と経済のシステムとは?~これからの社会の贈与、コモンズ、市民性を考えよう
開催日:2025年5月30日(金)20:00~21:45
詳細・申込 https://peatix.com/event/4348419
◆3◆empublic Studio開催イベント案内
(5/7)AIを対話の中で効果的に使うには? ~empublic Studioオンライン対話
(5/12)演劇活動にお金が回るようにるために必要なことは?
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〇AIを対話の中で効果的に使うには? ~empublic Studioオンライン対話
対話を活性化するために、AIはどう使えるか?
対話の問いの設定に使えるの? 展開の支援はできる? 話のまとめは?
AIと対話のよい関係を実際に使ってみながら、参加者の皆さんの経験やアイデアも持ち寄り、一緒に考えていきます。
開催日:2025年5月7日(水)20:00~21:45
開催方法:オンライン
詳細・申込はこちら https://peatix.com/event/4390679
〇演劇活動にお金が回るようにるために必要なことは?
子ども達の演劇体験を豊かにするような演劇活動を事業化したい!
熱い思いを持つ劇作家で劇団主宰者の山本タカさんの問いかけから、社会起業家育成に取り組んできた広石の問いかけとみなさんの声を合わせて考えていきます。
開催日:2025年5月12日(月)20:00~21:45
開催方法:オンライン
詳細・申込はこちら https://peatix.com/event/4395935
◆4◆地域コミュニティ運営 実践講座 〜“これまで通りの運営”から、“これからを見据えた、私たちらしい運営”へ (45分×全8回)
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町会・町内会・自治会をはじめ、地域のサークルや住民サロン、ボランティア団体など、住民主体で地域のつながりを支えてきた多くのコミュニティ団体が、今、大きな転換点を迎えています。
「これまで通りのやり方」が通じにくくなってきていると感じる方、効果的に支援したい方のための講座がスタートします。
ナビゲーターの二宮雄岳は、釜石市で東日本大震災からの復興において30の自治会の立上げや運営支援にあたると共に、全国各地の地域コミュニティの分析や支援に取り組んできました。
現場の苦労に寄り添い、多様な世代の人と共に解決策を考えてきた二宮と共に、これからを見据えた見直しポイントや小さな改善の種を見つけていきましょう。
開催日:2025年6月10日~7月29日 毎週火曜10:00~10:45
開催方法:オンライン開催
詳細・お申込はPeatixから https://peatix.com/event/4402994
◆5◆社会問題の複雑さに挑むための 思考と実践のフレームワーク25
~ 複雑な/厄介な問題に向き合い、社会の変化を生み出すための問いと解を探る力とは?(全5回)
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社会課題の複雑さに向き合い、変化を起こすための理論やフレームワークを体系的に学び、実践に活かす視点を養っていきます。
全5回を通して、システム思考、協働のプロセス、社会変革のアプローチなどの本質を考えながら、実際に課題意識や実践と結びつけるまでを体系的に学べるプログラムです。
開催日:2025年6/5、6/19、7/3、7/17、7/31 各回木曜20:00~21:50
開催方法:オンラインと会場(エンパブリック根津スタジオ)のハイブリッド開催
詳細・お申込はPeatixから https://peatix.com/event/4396420
◆6◆empublic Studioラジオ「empublicの一語一歩」
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毎週一つの「気になる言葉」を取り上げ、今の社会を考える代表広石のラジオ型番組で
す。GWの移動中のひとときに、「一語一歩」で新たな視点を手に入れてみませんか?
電車で、車で、飛行機で、知的好奇心を刺激する楽しい時間をお過ごしください!
SpotifyとApple Podcastで配信中。「一語一歩」で検索を。
https://open.spotify.com/show/4gRXIw1HxACPrFMfI83HKZ?si=27b68eaff0f040c5
#87 「イシュー」〜課題解決がうまくいかない時に探したいツボって?
#84 「ライフキャリア」~「○○としての自分」がたくさんあることを大切に
#83 「社会的共通資本」~「みんなのもの」を使いつぶさないために必要なことは?
◆7◆編集後記
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はじめまして。4月からエンパブリックにジョインしました片山ときです。大学卒業後、広告業界でプロモーションや広告の制作、出版社で書籍の編集に携わりました。男子3人の子育てが少し落ち着いたところで(男子の子育ては永久に不滅です、が)、かねてから興味のあった教育業界に転職、探究学習プログラムの学校への導入や、学校と企業や地域、大学との連携支援に従事した後、エンパブリックに入社しました。これまで様々な業界・職業を経験しましたが、共通して自身が探究していることは「コミュニケーション」「多様性」「学び」です。こんな時代こそ「できるかも!」を多くの人に。最初の一歩を踏み出すサポートができたらと思っています。(片山)
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株式会社エンパブリック
メルマガ「根津の街から」
(第249号 2025年5月2日配信)
発行責任者=広石 拓司
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