Spiritual Health は必要なの?
~臨床宗教師の仕事から考えよう

対話シリーズ「Spiritual Healthを探求しよう」第1夜

身体に病気がなく、精神も病んでいなければ「健康」なのでしょうか。もし心身が病んでいなくても、孤立し、生きがいや癒しがなければ、活き活きとは生きていけないでしょう。 「健康」には身体、メンタルだけでなく多面的な要素が含まれます。
では、健康を考える時、身体や精神だけでなく、社会的な健康を、そして、Spiritual Health(魂の健康)を考えることには、どんな意味があるのでしょうか?

それを考える一つのきっかけとなるのが「臨床宗教師」という仕事です。

「臨床宗教師」は、病院や被災地などで、苦難や悲嘆を抱える方々に寄り添う仕事として「臨床宗教師」が注目され始めています。臨床宗教師は、宗教者としての経験を活かし、相手に寄り添って心の奥にある痛みや思いを傾聴し、自ら痛みを和らげるのを助ける活動です。仏教、キリスト教、新道など多様な宗教家が協力し、布教や伝道は行いません。

米国では病院や軍隊などにチャプレンと呼ばれる宗教家が「Spiritual pain」の専門家として働いていますが、日本でもホスピスや被災地に同様の役割が必要だという考え方から始まっています。ただ、日本では臨床宗教師の仕事への理解、臨床での活用は、まだ限られています。

臨床宗教師は、どのような仕事をしていて、これまでの医療や健康観に何を問いかけているのでしょうか?

健康の概念のこれまでと現在と、臨床宗教師の仕事を知ったうえで、これまで忘れられがちだったが、これから大切になることを考え、そこから「Spiritual Health」について考えていきたいと思います。

.

この対話では、「健康」を多くの市民が考える大切さに取り組んでこられた中山和弘先生(聖路加国際大学大学院看護学研究科)から、「健康」の概念の変化は、どうして必要になってきたのか、既存の健康を促進する取り組みで忘れられがちなことは何かをお話しいただきます。

そして、臨床宗教師として活動されている玉置妙憂さんをゲストに招き、臨床宗教師の仕事について学んだ上で、玉置さんんはなぜ志し、仕事を通して何に気づいたのか、そこから臨床宗教師の扱う「Spiritual」の意味や可能性についてどのようにお考えなのか、お話しいただきます。

お2人のスピーチをもとに、「これから健康な人が増えるために必要な新しい領域は何か?」「Spiritual Healthは、なぜ大切か」を考えたいと思います。

まだ分からないことの方が多く、正解のない、「Spiritual Pain」や「Spiritual Health」、魂へのケアが人生や健康にもたらす意味を、ともに考えませんか?

参考

アメリカの家庭医学会「familydoctor.org」では、Spiritualityを「人生における意味、希望、癒し、内なる平和を見つける方法」とし、宗教で見出す人もいれば、音楽や芸術、自然とのつながりに、また価値観や行動原理に見出す人もいると説明しています。そして、Spiritualityと健康の関係は完全に証明されていないが、健康に影響を与える示唆は多くあり、予防や病気・ストレス・死などに向き合うのに役立つとしています。https://familydoctor.org/spirituality-and-health/

開催概要

日時 2017年6月21日(水)19:00~22:00

場所 エンパブリック根津スタジオ (東京メトロ千代田線 根津駅徒歩1分)

定員 12名

ゲスト紹介

玉置妙憂さん (看護師、僧侶、臨床宗教師)

看護師。僧侶。臨床宗教師。専修大学法学部卒業後、法律事務所で働くも「もっと人の近くで貢献したい」と退所。その後、国立東京病院附属看護学校で学び看護師、看護教員の免許を取得し、臨床で看護師として働きながら、国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科保健医療学専攻にて看護管理学修士、医療福祉政策学博士課程を修了。看護学校で教鞭をとる中、2012年6月に最愛の夫と死別。その後、高野山真言宗にて学び、僧籍を修得。看護師、僧侶として医療・宗教の分野から死を見つめ、伝えていく活動をスタートさせた。医療にも宗教にも偏らないバランスの取れた講座は、非常にわかりやすく、定評がある。主として在宅医療の現場では看護師として、ホスピスなどの施設では僧侶として活動中。

中山和弘さん 聖路加国際大学看護情報学教授

専門は保健医療社会学、看護情報学です。 ヘルスリテラシー(健康を決める力)、意思決定支援、ヘルスコミュニケーション、ポジティブコーピング、これらを支えあうサポートネットワークやコミュニティ、ソーシャルキャピタルづくりなどをテーマとしています。 市民・患者や医療者を対象とした調査を通して、市民・患者や医療者の視点から、その生活する世界に注目し、情報に基づいた意思決定ができているかどうか、それを阻んでいるものは何か、必要な支援が受けられているか、その支援はどのようなものかを明らかにしようとしています。看護情報学とは、対象の適切な情報の入手、理解、評価、活用(意思決定や行動)をケアする領域ととらえています。

ウェブサイト 「健康を決める力~ヘルスリテラシーを身につける

参加費

対話シリーズ「Spiritual Healthを探求する」3回セット 9,000円(税込、茶華付)

第1夜 単回参加 3,800円(税込、茶華付)

お申込み

チケット販売サイト peatixにてチケット購入をお願いします。ご不明な点はお気軽にお問合せください。