empublicメールマガジン「根津の街から」 Vol.151
◆◇― empublicメールマガジン「根津の街から」 ―――― Vol.151 ―◇◆
(2016年8月5日発行)
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リオデジャネイロオリンピックの開会式は、8月6日(土)朝8時(日本時間)。
地球の反対側で、オリンピックがいよいよ始まりますね。昨年まで資産運用会社に勤めていた私は、ブラジル経済の低迷が気になるところです。それはさておき、ビール片手にスポーツの祭典を楽しみましょう!(宮尾)
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1.コラム「そもそも君は読者を想像できていない」(広石)
2.ゼミと講座の熱い夏。根津スタジオで、クールな学びを!
(1)「問いかけ力を磨こう」9月・月曜夜・金曜昼の2コース スタート!
(2)ソーシャルラーニング実践論
(3)ワークショップ・デザイン
(4)雑談から始まるファシリと場づくり
3.ラボメンバー募集中!
4.編集後記(宮尾)
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◆1◆ コラム「そもそも君は読者を想像できていない」(広石)
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朝ドラ「とと姉ちゃん」は「暮らしの手帖」を立ち上げた大橋鎮子さんをモチーフにした物語です。
「暮らしの手帖」の編集長だった花森安治さんにあたる花山役を、唐沢寿明さんが演じています。
ドラマでは、主人公の常子は、戦後の困難の中、戦争で苦労した女性たちに役立つ雑誌をつくりたいと考え、外国人の人が着ている服などを参考におしゃれができるようにとファッション誌をつくります。
しかし、思うように売れず、困っていた常子は周りの人にアドバイスを求めるのですが、なかなか良い答を得られません。
その常子が花山を紹介され、会いに行き、アドバイスをお願いしました。
実は花山は少し前に興味をもって、その雑誌を買っていたのです。
そのことを喜ぶ常子に、花山は、まったく意味がない雑誌で、買ったことを後悔したと言います。
そして、花山は怒鳴りつけるように、下記の趣旨のことを伝えるのです。
「何を見せたいのか? 文章か?洋服か?テーマは?
そもそも君は読者を想像できていない!
外国人や一握りの令嬢が着るような浮世離れした服を載せて何になる。
周りを見てみろ。みんな焼野原の中で食うものも、着るものも最低限の中で生きている。
服の作り方を載せたところで、材料をどうやって手に入れる。
型紙も載せないで、読者が、本当に、作れると思うのか」
この言葉は、事業をするにも、社会起業においても、講座においても、とても本質的な課題だと思います。
私たちは、良いことを知ると伝えたくなりますし、良いものを提供したいと考えます。
しかし、「これが理想的な進め方!」「ハーバードでこんないいことが!」と伝えても、受け取った人、聞いた人はそれを本当に使いこなせるのでしょうか?
理論やモデルは美しいものです。
環境が整った中で起きる素敵なことは、楽しいし、新しい可能性です。
それがみんなに伝わることが理想でしょう。
しかし、受け取った人が、どんな環境で暮らし、働き、何に苦労していて、
その人が現状の中でできることは何なのか、
その時に必要な手助けをきちんとフォローできているのでしょうか?
例えば、「ファシリテーション」についてもそうです。
「この進め方がクリエイティブな話し合い方だ」「オープン・イノベーションだ」と伝えることはできます。
しかし、ファシリテーション研修に参加した人が、習った通りには現場ではできないぞ。周りの理解も得られない。
結局、うちの会社(地域)の会議は変わらないから、また、外のワークショップに参加しよう・・・
となってしまっては、とても残念なことだと思います。
今、目の前の現実の中で苦労している人たちに、どう寄り添うのか。
その人たちが、新しい良いことを自分の暮らしと仕事に取り入れるために、何ができるのか。
エンパブリックで大切にしているのは、日常の中でどう使いこなせるか、です。
完全に理論がわかることが先ではなく、使ってみて、動きながら本質は何か考え続けていく。
今、すっきりする「答」ではなく、「問い」を抱えていくことが最も身につく学びだと思うからです。
ドラマでは、先の言葉を聞いて、常子は花山に編集長を頼もう。彼としか目指す雑誌はできないと決断します。
自分にとって「読者を想像する」「材料」「型紙」は何なのか?
そのことを常に問いかけ続けていくことの大切さを改めて考えています。
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エンパブリックのプログラムは、「現場で、自分で考え続けるきっかけ」づくりを大切にしています。
例えば、「雑談から始まるファシリと場づくり」は、日常の中にある「ファシリテーションのヒント」に気づく力に重点を置いているユニークなプログラムです。
「ばづくーる」では、現場で使える「問いかけカード」やワークシート、ファシリテーションQ&Aなどを利用可能です。
そして、変化と学びの前提となる「問いかけ力」ゼミは、9月から2コースでスタートします。
ぜひ、ご活用ください!
◆2◆ゼミと講座の熱い夏。根津スタジオで、クールな学びを!
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参加募集中の根津スタジオのプログラムは、エンパブリック・サイトの「ワークショップ」からご確認ください!
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(1)≪広石ゼミ≫「問いかけ力を磨こう~ビジネス・市民活動の現場ですぐに役立つ【相手に問いかける力】って何?」
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問題にぶつかって自分ひとりの力ではどうにもならない時、どうしますか。
周りの人に助けを求めたり、何か有効な手段を探したりするかもしれません。
複雑な問題が絡み合う現代。周りの人と協力して、困難な場面を乗り越えたいと考える人は多いでしょう。
このゼミでは、相手に問いかける実践と理論を通して、6つの視点を学びます。
現場ですぐに役立つ考え方、日常生活で問いかけるコツを徹底的に身に付ける「少人数・精鋭ゼミ」です。
ファシリテーター 広石拓司
【日時】
◆月曜夜コース・スタート! ※各日1コマ 19:00-21:30 申し込み
- 9月12日(月)第1回「問いかけ入門~自分も相手も元気になる問い」
- 9月26日(月)第2回「関係性を育む問い(合意形成)」
- 10月3日(月)第3回「学びを促す問い」
- 10月17日(月)第4回「チーム力を高める問い」
- 10月24日(月)第5回「目の前の問題の本質に迫る問い」
- 10月31日(月)第6回「未来を拓く問い」
◆金曜昼コース・スタート! ※各日2コマセット 10:30-16:30 申し込み
- 9月16日(金) 第1回「問いかけ入門」 第2回「関係性を育む問い(合意形成)」
- 10月7日(金) 第3回「学びを促す問い」 第4回「チーム力を高める問い」
- 10月28日(金) 第5回「目の前の問題の本質に迫る問い」 第6回「未来を拓く問い」
※すべての回で8名限定です(全6回一括お申込みの方優先)
※日程のふりかえ可能です。
【参加費】30,000円(全6回一括:特典付)/5,000円(各回単発)
>詳細・申込み https://empublic.jp/questioning
◆8月6日(土)には、7月・8月コース第5回・第6回のセットを
「ロジカル思考だけでは解けない問題に挑む!システム思考・デザイン思考」として実施します。
申し込み> http://peatix.com/event/187127/
【これまでの参加者の声】
- 問いかけを考えることで、いろいろな場面での問題の具体的な落とし 込み方が明確になってきました。
- いつも同じ問いかけ方しかしていなかったことに気付いた。知識や スキルがあると、多様な問いかけができることに気付いた。
- ゼミでたくさんの考え方、フレームワークを学んだことで、日常で 話がすれ違っていたり、深まってこなかったりした理由がわかった。
- 解説やスキル練習に留まらず、ワークで自分の現場を見直す機会が 多くあるのが、ありがたかった。
- 問いかけについて参加者同士で話し合う機会が多いが、回が進むに連れ、 他の参加者の視点や経験の深い部分が見えたのも学びになった。
(2)≪講座≫「つながりが未来を拓く!ソーシャルラーニング実践論 ~教えあい、学びあえる協力・協働の作り方」
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実社会で起きている数多くの”正解のない問題”に、正解を追い求めても意味はありません。そこでは、自分一人で勉強して考えることよりも、異なる経験を持つ人たちが知識や情報をシェアしながら学びあい、協力して新しい答を生み出していくプロセスが重要になります。
現場にいる人のつながりから学びを充実させるには、何が必要なのでしょうか?
ゲスト・ナビゲーター 佐藤真久(東京都市大学教授)、広石拓司
【日時】2016年9月4日(日)13:30~17:00
【参加費】8,000円
(3)≪講座≫「ワークショップ・デザイン ~参加型の学びの場の創り方」
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一方通行のセミナーや研修ではなく、双方向・体験型のプログラムを企画するノウハウを、体験を通して学びます。自分のプランをつくります。
ナビゲーター 広石拓司
【日時】2016年9月9日(金)13:00~18:00
【参加費】9,000円
(4)≪講座≫「雑談から始まるファシリと場づくり ~ファシリテーション実践基礎」
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日常の雑談や話し合いの中から、ファシリテーションのコツ、ポイントを抽出し、体験を通してファシリテーションを学べるプログラムです。
「ファシリーテーター」としての自分を体感し、改善点を見つけます。
ナビゲーター 広石拓司
【日時】2016年9月9日(金)19:00~22:00
【参加費】5,000円
※ 9/9(金) ワークショップ・デザインとファシリのセット割引きがあります!
◆3◆ ばづくーるラボメンバー募集中!
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正解のない時代に求められる「問いかける力」を伸ばしたい。
自分の地域や職場で、ワークショップやファシリテーションを実践していきたい。
その思いを自分の現場で実践できるように。そして、活動の質をレベルアップしていくために、すぐに使えるツール・教材を活用でき、経験を分かちあっていくコミュニティが「ばづくーるラボメンバー」(月会費800円・税抜き)です。
特典の一つが毎月発行の「問いかけカード」。
5月は「自分の情熱ストーリー」、6月は「会議力」、7月は「ビジョンを分かち合おう」、
そして、来週発行予定の8月は「関係性の入り口」をテーマにした問いかけカードを提供しています。
ぜひご参加ください!
【詳細・申込】http://bazcool.jp/
◆4◆ 編集後記
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私は人の話を聴くことが好きです。話を聴きながら同時に、頭の中でいろいろと想像して映像化します。この映像が先走り、話を聴く前に次の内容が分かってしまうこともありますが、それでも続けて楽しく聴いていると、思いもよらない展開で反省することもしばしばあります。
今回、根津スタジオの案内文を書く時に工夫した点。それは、私が自由に想像した頭の中のAさんの気持ちになって書いたということです。
講座を受けるかもしれないAさんを、自分なりに想像しました。
どういうことで困っているのだろうか。どうして学びたいのだろうか・・・。
問題にぶつかって暗い気持ちになり、目の前に霧がかかっているような映像が頭の中に浮かびました。
Aさんに届くといいなと思います。(宮尾)
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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第151号 2016年8月5日配信)
発行責任者=広石 拓司
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