empublicメールマガジン「 知を生み出すソーシャライゼーション」~根津の街から(2022年11月11日)

◆empublicメールマガジン「根津の街から」-◆
(2022年11月11日発行)
ー<INDEX>ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆1◆知を生み出すソーシャライゼーション(広石コラム)
◆2◆(11/20)子育てしながらの働き方・キャリアを考える対話ワークショップの作り方
~誰もが自分らしく活躍するためのコミュニケーション方法を学ぼう
◆3◆(12/4)対話と参加・協働を進めるファシリテーション&ワークショップ・デザイン (対面+オンライン)
◆4◆ (11/22・12/6)「つながり」と「構造」を使いこなそう!
~ 複雑な社会問題を解決し、 変化を促すためのシステム思考入門(全2回)
◆5◆活動レポート
◆6◆過去の広石コラムを読み直してみませんか?
◆7◆編集後記
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街の木々も色づき始め、すっかり秋らしくなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
コロナで人と人の距離が開いたと言われる中、改めて対話の大切さを感じています。今回はファシリテーションに関する講座の案内もしています。(新村)

◆1◆ 知を生み出すソーシャライゼーション(広石コラム)
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10月から対面でのイベントやワークショップ、研修が増えています。
しばらくほとんどの会がオンラインの日々でしたので、電車で移動しながら「こんな感じだったな」と思ったりします。
ただ、オンラインでは打合せの時間の間が詰まっていても対応できたため、その流れが残っていて、スタッフが対面のイベントの30分後にオンライン打合せを設定し、駅にあるブースから参加することも時々あります。

テレワークが広がる中で起きた現象として指摘されるのが、仕事の経験が属人化しがちだということです。
オンラインでは業務の打合せをし、後は個別に作業することが多くなり、個々人が作業するプロセスの中で気づいたこと、実施の工夫などが個々人のものとなりがちということです。

確かに、隣で仕事をしていてお互いに見えていたこと、隙間時間の雑談で共有できていたことがテレワークでは見えにくくなってしまいます。
ただ、これは個々人の仕事の経験の共有する仕組みのないことが本質的な課題であり、それがテレワークで明確になったと考えられます。

日常業務の打合せや進捗確認では後回しにされやすい、個人の経験、直感、ひらめき、学びを「暗黙知」とし、イノベーションを起こす資源だと打ち出したのが、野中郁次郎先生らの書籍「知識創造企業」でした。
暗黙知を個人のものに止めないで、形式知にして組織で共有し、価値創造に活かすことがイノベーションを生む知識創造につながると考えたのです。
この考えを受け、日本企業でもナレッジ・マネジメントに力を入れましたが、思ったように効果が出ない場合も少なくありませんでした。

日本企業のナレッジ・マネジメントでは、暗黙知を表出(Externalization)させて形式知とし、連結(Combination)させてまとめるマニュアル化が重視されました。
ただ、野中氏らの知識創造サイクルはSECIモデルと呼ばれているように、表出(E)・連結(C)の前に「S」があります。
このSは「Socialization」であり、人と人のつながりの中で暗黙知が暗黙知として共有される中で、何が知なのかが明確になっていくプロセスです。

よく刑事ドラマではバディものと呼ばれる少し風変わりな先輩刑事と新人刑事がペアを組む物語があります。
そこでは、最初、新人刑事は風変わりな先輩を見て疑問に思うのですが、ドラマが進む中で“風変わりさ”にこそ知恵が詰まっていくことに気付いていきます。
これがSocializationです。先輩の暗黙知を現場の中で分かち合い、暗黙知の価値が明確になっていくのです。

テレワークで個別作業になり、属人化しやすいことは、改めてSocializationの大切さに気付くきっかけとなります。
近年はテレワークでなくてもパソコン業務が増えたことで仕事は個別化し、属人化しやすくなっています。
業務プロセスの中での小さな気づきを小まめにチャットツールで共有する、定期的に一緒にふりかえりの時間を取ることが、かつてなく大切になってきています。
そして、お互いの日々感じていること、嬉しさや不安、小さな気づきもお互いにしっかり聴きあう「対話」の時間がとても大切になっています。

エンパブリックでも改めて対話の大切さ、実施をサポートするプログラムを実施していきます。また、empublic Studioでも小さな気づきを話し合える場を増やしていきたいと考えています。

◆2◆(11/20)子育てしながらの働き方・キャリアを考える対話ワークショップの作り方
~誰もが自分らしく活躍するためのコミュニケーション方法を学ぼう
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( 育休後カフェⓇ+ふりかえり で、実行できる力が身につく実践型プログラム】
企業や組織において、育休・時短など多様な働き方や多様な価値観を持つメンバーがいる組織づくり、子育てしながらの働く人のキャリア形成に難しさを感じている方は多いと思います。
対話を通して自分の思い込みや他者の考えに気づくことで、育休や時短等の多様な働き方を認め合うことの意義を組織ぐるみで納得していけるのではないかと、企業や組織での対話ワークショップを提案しています。
本講座は、育児とキャリアに関するワークショップの主宰者としてすぐに活かせる知識やファシリテーションやワークショップ企画のスキルを学ぶ講座です。
皆さんの職場で、対話ワークショップを開き、子育てしながら働く人たちを応援していきませんか。(矢部)
詳細・申込みはこちらからPeatixから
https://peatix.com/event/3402849/view

◆3◆(12/4)対話と参加・協働を進めるファシリテーション&ワークショップ・デザイン (対面+オンライン)
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対話やファシリテーション、場づくりの考え方、ワークショップの企画・運営について学べるプログラムです。研修や参加型イベントを実施する方、ファシリテーションを勉強している方の再入門にお勧めです。
開催日時:2022年12月4日(日)10:00~16:30
【第1部】対話と参加・協働のファシリテーション 10:00~12:45
【第2部】参加型の学びと対話の場のつくり方~ワークショップ・デザイン 13:30~16:30
*第1部・第2部のみの参加も可能です。
会場:対面開催 エンパブリック根津スタジオ、オンライン同時開催
詳細・お申込みはPeatixから
https://peatix.com/event/3402273

◆4◆ (11/22・12/6)「つながり」と「構造」を使いこなそう!
~ 複雑な社会問題を解決し、 変化を促すためのシステム思考入門(全2回)
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社会・地域・組織にポジティブな変化を生み出すには、複雑な問題の中にあるつながりに向き合い、問題の構造を理解する「システム思考」が不可欠です。
目の前の問題対処に追われるのではなく本質的な変化を起こすために、システム思考の基礎を身につけ、自分なりの活用法を考えてみませんか?
実践的なシステム思考の入門講座、開講します。

開催日時:2022年11月22日(火)、12月6日(火)各19:30~21:45
*オンライン開催
詳細・お申込みはPeatixから
https://peatix.com/event/3401560

◆5◆活動レポート
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〇GM研修会(日本トップリーグ連携機構)を開催!
「もっと必要とされ、多くの人から支えてもらえるクラブ、チームとなるには?」をテーマに、研修会を開催しました。2日間のオンライン開催の様子をまとめたレポートはこちら
https://note.com/empublic/n/n2d0da8e2fb62

〇「課題解決型の事業開発プロセスを体験する」をテーマに企業研修を行いました。
エンパブリックの大学生インターンが、参加し、体験記をレポートにまとめました!
https://note.com/empublic/n/nfc591436e72e

〇フォルケホイスコーレで学んだ「自分の思いを知り、相手と分かち合うこと」の大切さ
~ デンマーク留学経験者が考えた対話の可能性
実際にデンマークのNordfyns Hojskoleに留学し、様々なバックグラウンドを持つ人たちと共同生活を経験した横山覚さんをゲストに、フォルケホイスコーレの仕組みやデンマークでの学びについてお話しいただきました。
参加したスタッフ瀬沼が感じた気づきや感想はこちら
https://note.com/empublic/n/n49343c94c45a

◆6◆過去の広石コラムを読み直してみませんか?
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エンパブリックnoteでは、スタッフ新村がもう一度紹介したい過去の広石コラムを投稿しています!
12月4日にファシリテーション講座も開催しますので、今回はファシリテーションや場づくりに関連するコラムをご案内します。(新村)
https://note.com/empublic/n/nf540cdda24c6?magazine_key=m3b219e81c362

◆7◆ 編集後記
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先日、empublic Studioのワールドカフェに参加しました。私から「育休・時短・副業など多様な働き方の人がいる職場で、「申し訳なさ」や「モヤモヤ」がなくなるには、何を共有したらいい?」を提案させてもらったのですが、みなさんとのディスカッションから「わからないを共有するのが大事」という発見!がありました。これに気づいた時には、本当に「おー」という感じで、多様な人の集まる場の力を改めて感じたのでした。と同時に「これこれ」と、私が体験したような場を、企業や地域で広げたいと決意を新たにしたのでした。(矢部)
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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第219号 2022年11月11日配信)
発行責任者=広石 拓司
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