誰のためのSDGs?~empublicメルマガ「根津の街から」 2019年9月25日

◆empublicメールマガジン「根津の街から」 -◆
(2019年9月25日発行)

まだ暑さも残りますが、やっと秋らしい日が増えて参りましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
温度の変化に体調を崩さないようお気をつけてお過ごしください。

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<INDEX>
◆1◆ [コラム] 誰のためのSDGs?(広石)
◆2◆ ゼミ「問いかけ力を磨こう」(10/1~)火曜夜コース 日曜2日間集中(11/24、12/15) 
◆3◆ ゼミ「サステナビリティをビジネスで推進するための問いかけ力~SDGs時代の仕事・組織に求められる場づくりとは?」(木曜夜 全3回)
◆4◆ 実践を通して学ぶ! 育休・復職後の働き方・キャリアを考える場のつくり方(第6期)~育休後カフェR・ファシリテーターになろう!(11/9)
◆5◆ SDGs時代に複雑な社会問題に挑むためのパートナーシップ戦略~立場・考えの違う多様な人の力を持ち寄るコレクティブな協働を進めるには?
◆6◆ 編集後記
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◆1◆[コラム] 誰のためのSDGs?(広石)
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9/24に、日野市で「SDGs×ビジネス実践セミナー」が開催され、ファシリテーターとして登壇しました。
日野市は、東京で最初で唯一のSDGs未来都市に選定されています。
日野市が行政とビジネスが連動してSDGsに取り組むきっかけとしてイベントは開催されました。

ゲストは、横浜で「Social Printing Company」を掲げ、社会課題解決型の印刷会社を経営されている大川印刷の大川哲郎社長。
大川さんとは10年来の知人ですが、お会いするたびに、印刷業の本業と社会課題解決の融合度は高まっています。
中小企業だからこそ、「SDGsでできることがたくさんあり、事業にとって不可欠なんだ」というお話は参加者に深く響いていました。
* 大川印刷 https://www.ohkawa-inc.co.jp/
* 大川印刷とSDGs https://www.ohkawa-inc.co.jp/tag/sdgs/

大川さんのお話と同様に印象的だったのが、会場に高校生と、そして生後4か月の赤ちゃんを連れた女性が来ていたことです。
女性の方は「子どもが生まれたことで、この子の未来を考えた時に、SDGsのことを知りたいと思った」と話してくれました。
高校生は「私は環境問題をなんとかしたいとSDGsに関心を持ったが、今日来て、人権が重要テーマと知り、環境と人権の結びつきも考えました」と。

彼女たちの存在が、このセミナーの意義を高めてくれました。
SDGsは2030年への目標ですが、そこが終着点ではありません。
その後、地球も人々の暮らしも持続していける経済社会システムの基盤を整えるのがSDGsの目的です。
それゆえ、2030年代、40年代に社会の中核を担う今の子供たち、若人たちは、自分たちがどう暮らし、どのような世界をつくっていくのか、自ら決め、実行していく主体となることを掲げています。
SDGsの国連の採択文書でも、プロトコル51に、こう掲げています。
「これ(SDGs)は 21 世紀における人間と地球の憲章である。
子供たち、若人たちは、変化のための重要な主体であり、彼らはこの目標に、行動のための無限の能力を、また、よりよい世界の創設にむける土台を見いだすであろう」

そして、思い起こされるのが、ちょうど小泉進次郎さんの参加でニュースになった、国連気候講堂サミットでのグレタ・トゥーンベリさんの演説です。
16歳のスウェーデン人の環境保護活動家の女性は、世界の首脳に警告を発しました。
「あなたたちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか」
「なにもかも間違っている。私がこの壇上にいるべきではないし、私は海の反対側で学校にいるべきだ。
それなのに、あなた方は私たち若者に頼って希望を求めにくる。よくもそんなことを」

サステナビリティの分野でよく使われるネイティブ・アメリカンの言葉があります。
「現在の土地(地球)は、先祖から受け継いだものではなく、未来の世代から借りているものだ」

そして、ウォルマートの元CEOのLee Scottは、なぜウォルマートがサステナビリティに取り組む理由を聞かれて答えました。
「あなたも孫ができれば、わかるよ」

今の40代以上は、20世紀の経済社会システムを前提とする教育を受けてきた人達です。
自分達の世代の「普通」が、現在の地球や社会に何を残してきたのかを自覚し、次の世代が少しでも不利な戦いをしなくてすむようにする必要があります。
2050年に石油に頼らない脱炭素した世界をつくるには、今すぐシフトを始めなければなりません。
グレタさんが言うように、「次世代に期待」では、遅いのです。
子育て支援には、保育園なども大切ですが、子どもたちの未来への環境整備も大切なはずです。

ちなみに・・・ 今回、新次郎さんが参加したのは、石炭火力を推進している日本国の首相は国連気候サミットに招待されなかったからです。
大川印刷は、RE100(再生可能エネルギー100%)を達成したと報告されていました。

子どもたちや孫たちも、夏休みに外遊びができるように、日本の各地の名産の作物を作り続けていれるように、
台風や洪水などで苦労せずに生きていけるように。
今、何の行動が自分にできるか、ともに考え、動いていきたいと、改めて思いました。

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◆2◆ ゼミ「問いかけ力を磨こう」-本質を探り、変化を生む場をつくるために
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変化が激しく、価値観が多様化する時代には、与えられた問題を解く力以上に、
質の高い問いを設定する力が大切になってきます。
さらに、その問いを一人で考えるのではなく、
周りの人たちに働きかけ、共通のビジョンを生み出し、共にアクションを進めていくには、
問いかける力が不可欠です。

「質問力」と「問いかけ力」は似てますが少し違います。
質問力は自分の知りたいことを知る、自分が相手を動かしたいように促すことが目的です。
しかし、問いかけは、問う+かける。つまり、相手への声かけ、気にかけ、働きかけが入っています。
相手に働きかけながら共に考え、関係性をつくっていく“問いかけ力”とは何か、一緒に考えませんか?
問いかけゼミ、11月には日曜2日間集中講座も開催します!

第1回 問いかけ入門 ~アクティブリスニング、appreciative inquiry
第2回 関係性を育む問い ~合意形成ファシリテーション
第3回 学びを促す問い ~ラーニングファシリテーション
第4回 チーム力を高める問い ~ダイバーシティファシリテーション
第5回 問題の本質を探る問い ~システム思考ファシリテーション
第6回 未来を拓く問い ~イノベーション&デザイン思考ファシリテーション

[火曜夜コース] 10/1、8、15、22、29、11/5 (火)19:00~21:40
https://peatix.com/event/754021/
[日曜2日集中コース] 11/24(日)、12/15(日)9:30~18:00
https://peatix.com/event/1312376/
*6回コース 30,000円
☆欠席の回については、別コースへのふりかえが可能です。

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◆3◆ ゼミ「サステナビリティをビジネスで推進するための問いかけ力
    ~SDGs時代の仕事・組織に求められる場づくりとは?」(木曜夜 全3回)
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これまでのライフスタイルやビジネスの前提を見直し、次世代の経済社会システムにおけるビジネスへと自らを変えていくには、
誰に、どのように問いかけることが必要か、共に探求しませんか?

これまでの参加者は、新規事業担当、オープンイノベーション担当、ダイバーシティ推進担当、経営企画担当、まちづくりNPO、
建築家、デザイナー、ベンチャー経営者など多彩な参加者が、それぞれの思いを持ち寄って議論を重ねています。

2020年代のビジネスのあり方を、ともに考える場に、ぜひご参画ください。

第1回 SDGsがビジネスに問いかけていること : 10/17木
第2回 次世代ビジネスへのイノベーションを促すための問いかけ : 10/31木
第3回 2025年の”最高の仕事”をデザインするための問いかけ : 11/14木

各回 19:00~21:40
https://peatix.com/event/1299495/
☆欠席の回については、別コースへのふりかえが可能です。
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◆4◆ 実践を通して学ぶ! 育休・復職後の働き方・キャリアを考える場のつくり方(第6期)~育休後カフェ・ファシリテーターになろう!
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☆講座+場づくり実践+ふりかえり で、実行できる力が身につく実践型プログラム

このプログラムでは、産休・育休・復職に関する対話やワークショップの企画・準備・運営を、講義と実践体験を通して学びます。
実際に動きながら必要な知識とスキルを身に着けるので、すぐに実践に活かせます。
育休後コンサルタントして活躍している山口理栄さんが取り組んできた育休後カフェの実績・経験知と、エンパブリックのワークショップ開発、
場づくりの担い手育成のノウハウを組み合わせ、修了後、育休後カフェを企画し運営するファシリテーターとして、また場づくりの主宰者として活躍できることを目指します。

2019/11/09 (土) 10:00 – 18:00

https://peatix.com/event/1301129/
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◆5◆ SDGs時代に複雑な社会問題に挑むためのパートナーシップ戦略
   ~立場・考えの違う多様な人の力を持ち寄るコレクティブな協働を進めるには?
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社会問題・組織課題の解決の発想と手法を2025年版にシフトしよう!

社会、ビジネスでますます増えている「複雑な、正解のない問題」を解決するために、「問題とは?」「課題解決とは?」「協働するとは?」の再定義から始めませんか?
自分の問題解決法を、21世紀型にシフトしてみませんか?
*書籍「ソーシャルプロジェクトを成功に導く12ステップ」を利用します。

<プログラム>

・複雑な社会問題に取り組むために、どのような発想の展開を関係者と共有する必要があるのか?
・多様な主体が主体的にパートナーシップの進め方
・現場での課題克服の方法

2019/11/23 (土)10:00 – 12:30
https://peatix.com/event/1325968

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◆6◆編集後記
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2017年度に東京ホームタウンプロジェクトを通じてご縁をいただいた大田区の六郷プラットフォームの活動を、次号の『地産知縁』でご紹介させていただくべく、改めてお話をうかがっています。
六郷プラットフォームは、一言でご紹介すると「“住民主体”の“話し続ける”場」。答えを「出さない」、組織化「しない」、課題解決「しない」、「住民主体の話し合いの場づくり」を進め、
大きな成果を生んでいます。改めて、”住民主体“ってどういうことだろう?、”話続ける場”ってどんな場だろう?、なぜ必要なのだろう?、どうやって”住民主体“の”話続ける場づくりを進めたのだろう?…
今、私自身も、地元では一住民として第二層協議体設置に関わっており、本当に参考になるお話が詰まっています。鋭意とりまとめておりますのでご期待下さい!
*2017(平成29)年度の取組はこちら https://empublic.jp/8225   (高橋)

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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第190号 2019年9月25日配信)
発行責任者=広石 拓司
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[11/23] SDGs時代に複雑な社会問題に挑むためのパートナーシップ戦略 ~立場・考えの違う多様な人の力を持ち寄るコレクティブな協働を進めるには?