自分は何が好き? empublicメルマガ「根津の街から」 2018.9.19

empublicメールマガジン「根津の街から」    (2018年9月19日)

いつもメールマガジン「根津の街から」をご愛読いただき、ありがとうございます。
お知り合いになった方へのご報告と、考えるきっかけとしてお役に立てればと考え、配信させていただいています。
この度、メール配信システムを変更しました。
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これからも、よろしくお願いします!

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◆1◆ コラム「自分は何が好き?」(広石)
◆2◆ レポート:東京2020年大会への多言語対応についてのワークショップ
◆3◆ 根津スタジオのプログラムより
・ゼミ「問いかけ力を磨こう」 9/25~ 火曜夜コースなど
・実践から学ぶ「育休・復職後の働き方・キャリアを考える場のつくり方」
・自分らしい次の生き方・働き方をデザインしよう など
◆4◆ 編集後記
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◆1◆コラム「自分は何が好き?」(広石)
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「美人に投票するコンテストを開催した時に、
もし”優勝した人に投票した人には賞金を出す”としたら、どうなるだろう?」

先日、NHK「欲望の経済史」の再放送を見ていると、ケインズによる例え話”美人投票”が紹介されていました。
普通に「誰が美人と思うか?」と問われたら、“自分が”美人と思う人を選ぶでしょう。
しかし、「票が集まる人に自分が投票していたら、自分に利益が返ってくる」となると、
“他の投票者が投票しそうな人”をお互いに探りあい、“勝ちそうな人”を選ぶでしょう。
投票者は「自分自身がその人が美人と思う」という理由では投票しなくなるのです。
そして選ばれた人は「本当は多くの人にとって、最も美人ではない人」になるかもしれません。

今回、この話を見て改めて思ったのは、この状況が続くことで
「自分が何を、なぜ良いと思うか」がわからなくなる人が多くなりそうだ、ということです。
「あの会社が儲かる」「あの人が勝つ」と”みんなが言っている”ものが自分の利益を生むとなると、
関心は、自分自身の判断軸や対象者自体を深く理解し、判断することよりも、
自分に入ってくる“他の人の意見”や“流れ”に沿って選んだ方が「間違えない」と考える。
そのように”間違えない選択”を重ねるうちに、それを「自分の選択だ」と思うようになるでしょう。

選ばれる側の人は、選ぶ人が自分をきちんと評価しないままに選んでおらず、
選ぶ人同士の牽制と評判の中で選んだとしても、「皆が自分自身を支持している」と全能感を持つか、
「求められているのは結果・イメージで、自分は理解されていない」と疎外感を持つかに陥るでしょう。

現代では、これは投資だけに限らず、アイドル、様々な社会ブーム、政治などにも定着していますし、
受動的に情報がどんどん入るネット社会で、この傾向はさらに強まっていくのでしょう。

そう考えた時、2つの話を思い浮かべるのです。

一つは、美人投票のような株式市場で、最も成功を収めたウォーレン・バフェットが
投資家として成功した理由を聞かれて、自分の投資会社では、
「なぜその会社に、その額を投資するのか、子どもや家族に説明できるかを大切にしている」
と話していたことです。

もう一つは、映画「千と千尋の神隠し」のラスト近くのシーンです。
魔法にかかった主人公「千」が人間(千尋)に戻るために、魔法界を仕切る湯婆婆に問われます。
「この10匹の豚から自分の親を選べたら、人間に戻してやろう」。
そして、千は、それぞれの豚を見て言います。「この中に親はいない」と。
自分に果たされたルールは「10匹から選ぶ」なのに、自分で「この10匹ではない」と判断した時、
千という数字の存在から、千尋という”自分の名前”を取り戻します。

自分は何が好きなのか? 自分はどう選択しているのか?
何が”社会”の“選択”を促しているのか?
それを問いかけ続けるのが、ますます大切になっていると感じます。

◆2◆ レポート:東京2020年大会への多言語対応についてのワークショップ
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東京都の2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会のワークショップの企画・運営をエンパブリックでお手伝いしました。ワールドカフェを使って、あと2年に迫る中、様々な現場の担当者が集まり、現状の取組みや残された課題を共有しました。
2017年の訪日外客数は年間2800万人を超えました。そのように急増する中、この10年で、駅や道路の表記、パンフレット、多言語対応対応職員の配置、スマホの翻訳機能など、とても充実しています。
ただ、災害に関する用語の翻訳、災害時に外国人旅行者にどう情報を届けたらいいのか、
また、お店や街中でのコミュニケーションを楽しんだり、少し手助けする気持ちなどが課題もあります。
基本は人と人のつながりであることを大切にしたいなと思いました。

◆3◆根津スタジオのプログラムより
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●ゼミ「問いかけ力を磨こう ~本質を探り、変化を生む場をつくるために」(全6回)
> 9月25日~ 火曜夜コース  各回 19:00~21:40
> 10月28日&12月2日 日曜集中コース 9:30~18:00
6つの視点から、対話と演習、実践体験を通して 自分の問題意識を多面的に磨くことで、
質の高い課題解決につながる問いかける力と場づくりの力を身につけます。
1. 問いかけ入門  2. 関係性を育む問いとは?(チームの基礎と合意形成)
3. 学びを促す問いとは? 4. チーム力を高める問いとは?(ダイバーシティ)
5. 問題の本質に迫る問いとは?(システム思考)
6. 未来を拓く問いとは?(デザイン思考)
*各コースの欠席回は他のコースでの振替受講が可能です
>詳細・申込 https://empublic.jp/questioning
●「実践を通して学ぶ! 育休・復職後の働き方・キャリアを考える場のつくり方」
“育休後カフェ”を7年間にわたって開催している山口理栄さんと共に、
育休後に職場復帰した後、子育てしながら女性が活躍できる環境づくりや
納得できるキャリア形成を考える対話を、講座と実践を通して身につけます。
・基礎講座 9月30日(日)など
詳細はホームページをご覧ください> https://empublic.jp/8517
●雑談から始まるファシリと場づくり ~つながりと協力を促すファシリテーションの基礎
10月13日(土)  9:30~12:20 https://empublic.jp/5133
●ワークショップ・デザイン ~参加型の学びの場の創り方
10月13日(土) 13:10~18:00 https://empublic.jp/5162
●自分らしい次の生き方・働き方をデザインしよう
~自分への理解を深め、自分の軸(ミッション)を探る4つの対話
11月11日(土)18日(土)10:00~15:45  https://empublic.jp/8721

◆4◆編集後記
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芸術の秋、文化の秋。
先日、インディアナポリス国際コンクールというヴァイオリンの世界三大コンクールのひとつで、小学1年生のときからご縁あって見守ってきた外村理紗さん(17歳)が第二位に輝きました。
今やコンクールはネット中継される時代。親戚のオバさん状態で、よもや国際コンクールを応援する日がこようとは、夢にも思いませんでしたが、同時に様々な批評がSNSに流れます。
情報あふれるネット社会、時に声の大きな人の意見だけが流れる中にあっても、自分の感性を信じ「自分は何が好き」を探し続けたいものです。(高橋)

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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第183号 2018年9月19日配信)
発行責任者=広石 拓司
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ご意見・ご感想は info@empublic.jp までご連絡ください。
皆さまのご意見・ご感想お待ちしています。
配信停止希望の方はこちらからお手続きをお願いします。

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“わかっていない人”を超えるには? empublicメルマガ「根津の街から」 2018.9.5

empublicメールマガジン「根津の街から」    (2018年9月5日)

酷暑、大雨など天災が続きますが、皆様お変わりありませんでしょうか。
9月に入り、夏休みも終わって、ホッとしたという子育て世代の方もいるのではないでしょうか。
夜には虫の声も聞こえ、秋の気配を感じます。
根津スタジオでは、9月からも問かけゼミの新しいタームなどもはじまります。
ぜひ、秋の学びに根津スタジオをお役立てください。

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<INDEX>
◆1◆ コラム「“わかっていない人”を超えるには?」(広石)
◆2◆ 根津スタジオのプログラムより
・対話「チームが効果的に動くための仕組みとは?」9/13
・ゼミ「問いかけ力を磨こう」
・実践から学ぶ「育休・復職後の働き方・キャリアを考える場のつくり方」
◆3◆「シェアリング@千代田」より シェア・サービス事例集
◆4◆ 編集後記
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◆1◆コラム「“わかっていない人”を超えるには?」(広石)
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地域からの活動の立上げ支援の仕事をしていると、時々質問されるのが
「主体的な住民は、どうしたら見つかるのですか?」ということです。
それを問うのは、地域のコミュニティや福祉活動やへの参加を促したい行政であったり、
環境問題など自分の問題意識をなかなか共有できないNPOであったり、
地域課題への共感者や仲間を見つけるのに苦労している人だったりします。

その人も、地域にはNPOなどを立ち上げて動いている”主体的な人たち”の存在を知っています。
自ら気づき、自ら主体的に動き出した人たちです。ただ、動く人は限られていて、
「地域の色々な会合があっても、参加者はいつも同じ」も、よく聞く声です。
もっと多くの人に動いてほしいと思いながら、今、既に動いている人に頼ってしまう。
それを繰り返し、なんとなく限界を感じた時に、「主体的な人は、どこに?」と思うのでしょう。

その問いに対しては、「あなたの期待するような人は、いないのでは?」と答えています。
自ら気づき、自ら動く人を”意識が高い”と考え、そうでない人を”意識が低い”と考えてしまうと、
「色々感じるけど難しそうだし???」「何か自分が役立てたらいいけど、毎日、忙しいし???」と
立ち止まっている人、漠然と「今の地域や社会は大丈夫だろう」と信じている人などは、
”わかっていない人”として、自分とは分断した存在として扱ってしまいがちです。

そんな時に思い出していただきたいのが、
「誰も最初から高い問題意識を持っている訳ではない」ということです。
それは、今、問題意識を持っている人や活動をしている人も、同じです。
誰もが何か・誰かに出会い、情報を得たり、経験を積んで、「今の自分」がいます。
「今の自分は、自分自身でつくった」と思いがちですが、どのような経験をするかは、
ほとんどは、周りの人など環境やタイミング、偶然などの積み重ねでしょう。
もちろんプロセスの各段階での選択は自分で行っているのですが、
全ての選択肢と全ての情報を把握して選択している人は、ほとんどいないでしょう。

現状の”意識の高い人”と”意識の高くない人”を「別の人」と捉えるのか、
同じような場所、同じような意識から、偶然の蓄積で分化してきた結果と捉えるのかによって、
同じ地域の状況を見ても、「主体的な人はいるのか?」という問いになるか、
「どんな機会や環境があれば、動き出しやすくなるのか?」という問いになるか、
「問い」が違い、”意識の高くない人”への「問いかけ」は違ってきます。

簡単に「分断」が起き、その分断を煽る傾向にある社会環境だからこそ、
多様な人たちの間の連続性を自覚し、それぞれの経験と選択を尊重しながら、
分かち合っていくことが、改めて大切になっていると思います。

◆2◆根津スタジオのプログラムより
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●対話「チームが効果的に動くための仕組みとは?~誰かのせいにしない運営法を考えよう」
チームが効果的に動く仕組みとして整え、それを動かすにはどうしたらいい?
動かすには何が必要? 成功と失敗の経験を分かち合い、対話を通して考えましょう!
9月13日(木)19:00~21:30  https://empublic.jp/8761
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●ゼミ「問いかけ力を磨こう ~本質を探り、変化を生む場をつくるために」(全6回)
6つの視点から、対話と演習、実践体験を通して 自分の問題意識を多面的に磨くことで、
質の高い課題解決につながる問いかける力と場づくりの力を身につけます。
1. 問いかけ入門  2. 関係性を育む問いとは?(チームの基礎と合意形成)
3. 学びを促す問いとは? 4. チーム力を高める問いとは?(ダイバーシティ)
5. 問題の本質に迫る問いとは?(システム思考)
6. 未来を拓く問いとは?(デザイン思考)
※ 9月25日~ 火曜夜コース  各回 19:00~21:40
※ 9月22日  土曜集中コース後半4・5・6 9:30~18:30
※10月28日&12月2日 日曜集中コース 9:30~18:30
-各コースの欠席回は他のコースでの振替受講が可能です
>詳細・申込 https://empublic.jp/questioning
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●「実践を通して学ぶ! 育休・復職後の働き方・キャリアを考える場のつくり方」
育休後カフェ」を7年間にわたって開催している山口理栄さんと共に、
育休後に職場復帰した後、子育てしながら女性が活躍できる環境づくりや
納得できるキャリア形成を考える対話を、講座と実践を通して身につけます。
・基礎講座 9月30日(日)など
詳細はホームページをご覧ください> https://empublic.jp/8517
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●雑談から始まるファシリと場づくり ~つながりと協力を促すファシリテーションの基礎
10月13日(土)  9:30~12:20 https://empublic.jp/5133
●ワークショップ・デザイン ~参加型の学びの場の創り方
10月13日(土) 13:10~18:00 https://empublic.jp/5162

◆3◆「シェアリング@千代田」より シェア・サービス事例集
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エンパブリックは千代田区で、暮らしや仕事、活動を、もっと充実したものとするために、
”シェア”の可能性を地域の人たちと共に考え、動き始めることを応援する
「シェアリング@千代田」に取り組んでいます。

今、自分の持っているもの(部屋、本、自動車等の有形も、スキルや時間などの無形も)を、
他の人も使えるような仕組みやネットワークをつくることで生まれる経済活動は
シェアリング・エコノミーとして国内外に広がっています。
シェアリング@千代田の基礎編では、シェアリング・エコノミー協会事務局長 佐別当隆志さんから
日本で注目されているシェア・サービスをご紹介いただきました。
その時に紹介された事例をリンク集にもしています。
http://chiyolab.jp/archives/4216

「シェアリング@千代田」は、いわゆるシェア・サービスだけでなく、町の歴史や情報のシェアなど
地域でのシェアを幅広く考えていく取組みですが、シェア・サービスにはヒントが多数あります。
これまでの取組みから、既に様々なテーマがあがっています。
・千代田区内の多様な活動の情報を、どう共有していけるのだろう?
・区民6万人に対して在勤者85万人。防災をどう共有・協力できるだろう?
・ちょっとした外出時に、気軽に声かけあえる子育て仲間を近所につくるには?
・身近にある公園、老舗や名店、コミュニティスペースもっと楽しむには?

9/30(日)には、アイデアを深め、企画にまとめる「シェアリング@千代田 アイデアソン」も
開催します。区民の方はもちろん、在勤者も参加できます!
詳細> http://chiyolab.jp/archives/4280

◆4◆編集後記
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科学技術指標2018が発表されました。それによると、人口100 万人当たりの修士・博士の取得者数の国際比較では、他国が増加している中、我が国は減少してます。ただ、入学者動向をみると、女子は、修士課程も博士課程も増加しています! もちろん、リケジョも! 折しも、先日経団連会長が「就職活動ルールを廃止すべき」との発言もあったばかり。増加しているマスター女子、ドクター女子も企業で活躍できるような柔軟な採用が広がればいいなと思います!(矢部)

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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第182号 2018年9月5日配信)
発行責任者=広石 拓司
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ご意見・ご感想は mailto:info@empublic.jpまでご連絡ください。
皆さまのご意見・ご感想お待ちしています。
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