何をするかより、何を問うのか~empublicメルマガ「根津の街から」 2019年11月7日
◆empublicメールマガジン「根津の街から」 -◆
(2019年11月7日発行)
◇‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥◇
9月の台風、大雨ではたいへんな被害が出ました。
被災された方にお見舞い申し上げます。
気候が変わり、海水温も上がった中、これからも気を抜けない状況だと思います。
気候変動にどう適応し、レジリエントな地域をつくるのか、緊急の課題になってきたと感じます。
季節は変わって、どんどん朝夕が冷えるようになってきました。
風邪なども流行り始めているようですので、お体にお気を付けてお過ごしください。
――――――――――――
◆1◆ [コラム]何をするかより、何を問うのか(広石)
◆2◆ ゼミ「サステナビリティをビジネスで推進するための問いかけ力~SDGs時代の仕事・組織に求められる場づくりとは?」(日曜集中 11/10)
◆3◆ ゼミ「問いかけ力を磨こう」-本質を探り、変化を生む場をつくるために(日曜2日集中コース11/24、12/15)・(1/14~火曜夜コース1/14、21、28、2/4、18、25)
◆4◆ SDGs時代に複雑な社会問題に挑むためのパートナーシップ戦略~立場・考えの違う多様な人の力を持ち寄るコレクティブな協働を進めるには?(11/23)
◆5◆ 実践を通して学ぶ!育休・復職後の働き方・キャリアを考える場のつくり方(第6期)~育休後カフェR・ファシリテーターになろう!(11/9)
◆6◆ 編集後記
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◆1◆[コラム] 何をするかより、何を問うのか(広石)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
起業でも、地域づくりでも、先行事例を学ぶことが大切です。
先行事例には、自分一人では思い浮かばないアイデア、効果的な進め方のヒントがたくさんあります。
先行事例を学ぶ際、その人が「何をした」のか、に注目してしまいがちです。
例えば、高齢者が葉っぱビジネスに取組んだ徳島県上勝町には、多数の視察者が訪れました。
「何をしたいのか?」に注目すると、「アイデアがよい」「うちの町でも葉っぱを」「うちの町は何を売るか?」となります。
しかし、この事業が生んだ横石さんが、ずっと考えていたのは、
「地域の高齢女性の力を、地域活性化に活かす方法はないか?」
「地域で、自分達で工夫して付加価値を生み出せることは何か?」
という問いでした。
その問いを抱えていたからこそ、出張で訪れた大阪の寿司屋で、「紅葉がきれい」という声を聞いた時に、
山でおばあさんたちが紅葉や葉っぱを集め、それが出荷され、大阪の店でお客さんが喜んでいるというイメージが頭に沸いたそうです。
始めると困難が多かった葉っぱ事業を、苦労を乗り越え成功させたのはビジョンが見えていたからでしょう。
そして、そのビジョンに自信が持てたのは、自分の中の強い「問い」に対する答だったからでしょう。
先行事例を学ぶ際、注意しないといけないのは、いくら優れた事例でも、それは「過去に起きたこと」だということです。
その事例が成功したのは、その時、その場だったからこそ、ということも多くあります。
起きたこと、したことは、過去のストーリーとしていいのですが、「次の事業」をつくるのに直接は役立たないでしょう。
実は、先行事例で学ぶべきことは、鍵となるしたことを生み出した「問い」を学ぶことです。
困難な状況で打開策を生み出したのは、現状に縛られずに「問うていた」からでしょう。
そこを学ぶことができると、現状の困難にどう向き合えばいいか、学べます。
それが今、次を考えるための大きなヒントになるのです。
今、サステナビリティやSDGsを考える際に気を付けないといけないのは、「問い」の変化です。
例えば、ハイブリッドカーのプリウスは、「環境にいい車は? 燃費をよくするには?」という問いから生まれました。
石油燃料を使うことを前提に、低炭素を問うていました。
一方で、テスラのEVが生まれた問いは、「脱炭素へのエネルギーシフトを起こすために、何が変わればいいか?」でした。
石油文明の象徴である自動車が変われば、そこを中心にエネルギーシフトが起きるだろう。
それにはまず、燃費の悪い高級車がステータスと思っている富裕層が、競って買いたくなるようなEVが必要だ。
先行事例を「何をしたか」に注目しすぎ、「問い」を見落としていないか?
新しく起きていることを、「古い問い」で見ていないか?
今、自分は何を問うといいのか?
ぜひ共に考えていきましょう。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◆2◆ ゼミ「サステナビリティをビジネスで推進するための問いかけ力
~SDGs時代の仕事・組織に求められる場づくりとは?」(日曜集中 11/10)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
SDGsはビジネスや社会に何を問うているのか?
サステナビリティを社内で進めるには何を問う必要があるのか?
サステナビリティをビジネスに活かすには、どのように問いを変える必要があるのか?
「問いかけ」を軸に、新しいサステナビリティの動向を探りましょう。
これまでの参加者は、新規事業担当、オープンイノベーション担当、ダイバーシティ推進担当、経営企画担当、まちづくりNPO、
建築家、デザイナー、ベンチャー経営者など多彩な参加者が、それぞれの思いを持ち寄って議論を重ねています。
2020年代のビジネスのあり方を、ともに考える場に、ぜひご参画ください。
第1回 SDGsがビジネスに問いかけていること
第2回 次世代ビジネスへのイノベーションを促すための問いかけ
第3回 2025年の”最高の仕事”をデザインするための問いかけ
開催日:11月10日 (日) 9:30 – 18:00
参加費:3回セット 18,000円
https://peatix.com/event/1299499/
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◆3◆ ゼミ「問いかけ力を磨こう」-本質を探り、変化を生む場をつくるために
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
変化が激しい時代に、与えられた問題を解く力以上に、質の高い問いを設定する力が大切になってきます。
さらに、その問いを一人で考えるのではなく、周りの人たちに働きかけることで、
共通のビジョンを生み出し、共にアクションを進めていくには、問いかける力が不可欠です。
関係性を生み出し、変化を起こすような「問いかけ」について、一度、しっかり考えてみませんか?
問いかけゼミ、11月・12月に日曜2日間集中講座も開催します!
第1回 問いかけ入門 ~アクティブリスニング、appreciative inquiry
第2回 関係性を育む問い ~合意形成ファシリテーション
第3回 学びを促す問い ~ラーニングファシリテーション
第4回 チーム力を高める問い ~ダイバーシティファシリテーション
第5回 問題の本質を探る問い ~システム思考ファシリテーション
第6回 未来を拓く問い ~イノベーション&デザイン思考ファシリテーション
[日曜2日集中コース] 11/24(日)、12/15(日)9:30~18:00
https://peatix.com/event/1312376/
[1/14~火曜夜コース ] 1/14、21、28、2/4、18、25(火)各回19:00~21:40
https://peatix.com/event/1366153/
*6回コース 30,000円
☆欠席の回については、別コースへのふりかえが可能です。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◆4◆SDGs時代に複雑な社会問題に挑むためのパートナーシップ戦略~立場・考えの違う多様な人の力を持ち寄るコレクティブな協働を進めるには?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
社会問題・組織課題の解決の発想と手法を2025年版にシフトしよう!
社会、ビジネスでますます増えている「複雑な、正解のない問題」を解決するために、
「問題とは?」「課題解決とは?」「協働するとは?」の再定義から始めませんか?
自分の問題解決法を、21世紀型にシフトしてみませんか?
*書籍「ソーシャルプロジェクトを成功に導く12ステップ」を利用します。
<プログラム>
・複雑な社会問題に取り組むために、どのような発想の展開を関係者と共有する必要があるのか?
・多様な主体が主体的にパートナーシップの進め方
・現場での課題克服の方法
2019/11/23 (土)10:00 – 12:30
https://peatix.com/event/1325968
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◆5◆ 実践を通して学ぶ! 育休・復職後の働き方・キャリアを考える場のつくり方(第6期)~育休後カフェR・ファシリテーターになろう!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
☆講座+場づくり実践+ふりかえり で、実行できる力が身につく実践型プログラム
このプログラムでは、産休・育休・復職に関する対話やワークショップの企画・準備・運営を、講義と実践体験を通して学びます。
実際に動きながら必要な知識とスキルを身に着けるので、すぐに実践に活かせます。
育休後コンサルタントして活躍している山口理栄さんが取り組んできた育休後カフェの実績・経験知と、エンパブリックのワークショップ開発、場づくりの担い手育成のノウハウを組み合わせ、修了後、育休後カフェを企画し運営するファシリテーターとして、また場づくりの主宰者として活躍できることを目指します。
2019/11/09 (土) 10:00 – 18:00
https://peatix.com/event/1301129/
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
◆6◆ 編集後記
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マンガ「逃げるが恥だが役に立つ」の続編(第10巻)、読まれた方いますか。
3年前にドラマがヒットし話題となりましたが、マンガでは、結構、社会の色々な面を切り取っているなと思っていたら、続編もなかなかなもの。
「男性の育休」「悪気のない言葉のハラスメント」「チームとしての家族」などなど現代社会のキーワードが散りばめられています。
そして、これを読んで面白いと言っていた大学生の娘の心理も、キャリア教育という観点から、そして母として、興味深く思っています。(矢部)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第191号 2019年11月7日配信)
発行責任者=広石 拓司
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ご意見・ご感想は mailto:info@empublic.jp までご連絡ください。
皆さまのご意見・ご感想お待ちしています。