システム思考活用ファシリテーション講座

 「こんな結果になるはずじゃなかった」の構造を探る技法

ループ図を作るプロセスで、何が見えてなかったが見えてくる!

目の前に問題がある時、「どこが悪いのだろう?」と分析し、一つの原因を探り出して解決する。これまでの課題解決の考え方は、このような論理的思考が中心でした。しかし、問題が複雑で何が悪いかよくわからないことや、どこが悪いかわかっているのに同じ問題を繰り返してしまうこともあります。

合理的に解決法を考えたはずなのに、「こんなはずじゃなかった・・・」という結果に陥ってしまうのは、ロジカルシンキングだけでは見落としがちな、状況に影響を与える因子の相互作用を見落としていたり、遅れて影響が発生するという時間の要素を組み込めていなかった場合が多いのです。

そのような時に視点を変え、問題の構造を探る技法として活用できるのが、システム思考です。

問題の全体像を見て、その要素の間にどのような関係があり、どう影響しあっているのか。それが時間の中で、どのように変化していくのか。それらをループ図というツールを使って見える化します。ですから、どこにどう働きかければ、悪い循環を良い循環に変えることができるのか、具体的に考えることができるのです。

システム思考のモデル図は、完成したものを見て、解説されても効果はあまり大きくありません。
それよりも、モデル図を作っていくプロセスの中で、見落としていた因子や相互作用、時間の影響などを発見していくことで、問題の背景にある構造への気づきを得ていくプロセスに最も意味があります。そのプロセスを通して、自分たちの視野・視点・視座に気づき、その根底にある自分や組織のメンタルモデルが見えてきます。だからこそ、根本的な課題解決へのアプローチが見えてきます。

このプログラムでは、システム思考の基本原理の解説を踏まえて、実際に複雑な問題に対して、どのようにシステム思考の考え方を当てはめていくのか、問題の構造を探求するファシリテーションに必要なことを体験を通して学んでいきます。

ゲスト・ナビゲーターの東京都市大学の佐藤真久教授は、国際的な環境人材育成プログラムLEAD(Leadership for Environment And Development)の日本事務局で、システム思考の第一人者であるデニス・メドウズ博士やジリアン・マーティン・ミアーズ氏らのもとで研修プログラムの開発、実施に取り組み、現在も大学で学生にシステム思考を活用した研究指導をされています。
佐藤教授の理論と、数多くの社会課題解決や地域にづくりの現場で問題の構造を探ってきた実践家のエンパブリックの広石のコンビで、システム思考の活用方法を考えます。

2016年7月に開催した「システム思考講座」を、参加者のみなさんの声を活かしてバージョンアップし、システム思考を自分の現場でどう活かすかに焦点を当てて再設計された講座です。

変化を生み出す考え方を、この機会に専門家のアドバイスを活かして習得しましょう!

※「森」を使った解説画像は、佐藤真久教授の資料より

こんな方におすすめ!

  • 多様な要素が絡む複雑な問題の解決方法を探している方
  • 問題への対応に追われるのではなく、本質的な解決法を探している方
  • システム思考に関心あり、本を読んだことがあるが、まだ使いこなせていないと感じている方
  • 社会を考える教育、アクティブ・ラーニングを担う教師、講師

プログラム

1) システム思考のすすめ

システム思考は従来の問題解決アプローチとどこが違うのか? またシステム思考の特徴である「因果ループ図」「時系列変化グラフ」とは、どのようなものか、基本的な考え方を解説します。

2) ループ図作成プロセスとファシリテーション

システム思考のループ図を作るには、どのような手順が必要なのか。社会問題を例に、システム思考の活用方法、議論の進め方、ループ図の作成、そこからどのように議論を展開するのか、体験します。そのプロセスの中で、どのようなファシリテーションのコツがあるのかも解説します。

3)システム思考活用ファシリテーション体験

グループワークで、ループ図を使った課題の構造探求と解決法の議論を進めるファシリテーションを体験します。

4)自分の現場での課題にどう活用するのか?システム思考を活かしたイノベーション・ストーリーを考える

本プログラムをもとに、自分の現場の課題をシステム思考で考えたうえで、どのような変化を生み出し、好循環につなげることができるか、イノベーション・ストーリーを描きます。

実施日

2016年10月16日(日)13:30-17:00

ナビゲーター

FullSizeRender佐藤真久 東京都市大学環境学部教授  

筑波大学第二学群生物学類卒業、同大学院修士課程環境科学研究科終了、英国国立サルフォード大学にてPh.D取得(2002年)。地球環境戦略研究機関(IGES)の第一・二期戦略研究プロジェクト研究員、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)の国際教育協力シニア・プログラム・スペシャリストを経て、現職。アジア太平洋地域における国際環境教育協力に関する政策対話・調査研究、持続可能な開発のための教育(ESD)に関する関連プログラムの開発・運営・研究などに関わる。

前々職の地球環境戦略研究機関(IGES)の勤務時(第二期戦略研究プロジェクト:2001年4月-2004年3月、能力開発プログラム)において、社会人のための国際的研修プログラムであるLEAD(Leadership for Environment And Development、米国ロックフェラー財団などによる支援、事務局は英国)の日本事務局の学術コーディネーターを兼任。(LEADは、システム・ダイナミクスの第一人者(デニス・メドウズ博士、インタラクティブ・ラーニング研究所:米国)や、ジリアン・マーティン・ミアーズ氏(ディレクター、LEADインターナショナル:英国)らが、システム思考の国際研修プログラムを開発、実施している組織)

広石拓司 (エンパブリック)

参加費

参加費 8,000円(税込) 教材費、根津の美味しいお菓子付き

参加お申込み

ばづくーるスクールでは、オンラインチケットサービス「Peatix」を利用しています。
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