つながりが未来を拓く!ソーシャルラーニング実践論 ~ 教えあい、学びあえる協力・協働の作り方

研修での知識習得、「学習する組織」を超えて、「ラーニング・コミュニティ」の構築へ

教師や専門家からの「情報・知識の提供」は正解がわかっている状況では有効でした。しかし、実社会で起きている数多くの”正解のない問題”に正解を追い求めても意味はありません。そこでは、自分一人で勉強して考えることよりも、異なる経験を持つ人たちが知識や情報をシェアしながら学びあい、協力して新しい答を生み出していくプロセスが重要になります。

既存の分野や枠組みを超えてつながり、共に探求する中で学びあうプロセスは「ソーシャルラーニング(社会的学習)」と呼ばれています。近年、単に教育や研修の場だけではなく、異なる背景の人たちが協力・協働する幅広い場面でのソーシャルラーニングの重要性が指摘されるようになっています。数多くの複雑な問題が起きる中で、新しい知恵や状況を生み出すためには”学びあう関係”がなければ成果を出せないという理解が広がっているからです。

ソーシャルラーニングは、その必要性がわかったとしても、従来の学習や協力とは異なる要素も多いため、いざ実行したいと考えても、個人や組織の学習についての考え方、プロセス設計や成果の設定方法などを変容させていく難しさが伴います。

教師主導の学びではなく、現場にいる人と人のつながりからの学びを充実させるには、何が必要なのでしょうか?

本プログラムでは、持続可能な社会の担い手を育むESDの専門家であり、国際機関でも活躍しながら、地域での市民・企業・行政の協働の実践にも携わっている佐藤真久さん(東京都市大学教授)をゲストに招き、社会的学習(第3学派)の視点から、これからの地域や組織でソーシャルラーニングは、なぜ必要なのか?現場でどう実践できるのか?実践手法と裏打ちとなる理論の双方から解説と対話を行っていきます。

※画像は、佐藤真久さんの論文(2014)より

こんな方におすすめ!

  • 協働やコラボレーションを効果的に進める方法を探している人
  • これからの地域づくり、多様な主体の協働に関心ある人
  • これからの時代の学び方、人材育成に関心ある人
  • 社会を考える教育、アクティブ・ラーニングを担う教師、講師
  • 学習する組織、実践共同体(コミュニティ・オブ・プラクティス)、経験学習、協働による探求に関心のある方

プログラム

1)なぜソーシャルラーニングなのか? ~VUCAワールドで求められる学ぶ力とは?

社会も企業も取り巻く環境が不安定で不確実、かつ複雑で曖昧模糊な状況になってきている中で、新しい状況に適応するには、「学び続ける力」が求められています。 これからの時代を生き抜くための学びとは何か、それは従来の教育とは何が違うのか? グローバルと地域の両方の視点から考えます。

2)協力・協働を効果的に行うための「学びあうプロセス」に必要なこと

何をすれば成果が出せるかわかっていた時代には、分担を決めて、それぞれが個別に作業し、最後にリーダーがまとめれば仕事が進んでいました。しかし、変化する時代には、経験も知恵も情報も持ち寄り、共に探求し、学びあうプロセスが必要となります。学びあうプロセスに必要な考え方、技術、実施手法、人々の参画プロセスを考えます。

3)協力・協働を促すコーディネーターの役割

協力・協働を促すには、課題の設定、資源の連結、変化の促進など中間支援機能と呼ばれるコーディネーターの仕事が重要になってきます。コーディネーターには、どのような姿勢、技術が必要なのか、考えます。

4)自分の地域での実践手法を考える

本プログラムをもとに、自分の事業、組織において、ソーシャルラーニングをどう活用するのか、どう実践し、何を成果として生み出すのか、それぞれが具体的に落とし込んでいきます。

実施日

2016年9月4日(日)13:30-17:00

ナビゲーター

FullSizeRender佐藤真久 東京都市大学環境学部教授  

筑波大学第二学群生物学類卒業、同大学院修士課程環境科学研究科終了、英国国立サルフォード大学にてPh.D取得(2002年)。地球環境戦略研究機関(IGES)の第一・二期戦略研究プロジェクト研究員、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)の国際教育協力シニア・プログラム・スペシャリストを経て、現職。アジア太平洋地域における国際環境教育協力に関する政策対話・調査研究、持続可能な開発のための教育(ESD)に関する関連プログラムの開発・運営・研究などに関わる。現在、国際連合大学高等研究所(UNU-IAS)客員教授、地球環境パートナーシッププラザ運営委員、ESD円卓会議委員、JICA技術専門委員(環境教育)、JICA環境社会配慮助言委員会委員、日本/ユネスコパートナーシップ事業(ASPUnivNet)協力員、地球環境戦略研究機関(IGES)リサーチ・フェロー、ほか非常勤講師(立教大学大学院、上智大学大学院)などを兼務。その他、環境省協働取組事業の委員長のほか、UNEP10年枠組(国連持続可能な生産と消費に関する10年計画枠組み(10FYP)-持続可能なライフスタイル及び教育(SLE)」-プログラム作業部会委員を務める。

広石拓司 (エンパブリック)

参加費

参加費 8,000円(税込) 
※教材費、根津の美味しいお菓子付き

参加お申込み

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