あらかわヘルシータウン・クリエイティ部 第2回(2015年11月16日)レポート
認知症の人が地域で暮らすにはどうしたらいいか。柏市で、ケアホーム笑美里を運営する猪早惠美子さんから、認知症の人が地域で暮らすために必要なことのお話を伺い、地域の人が認知症の人を支えるにはどうしたらいいか、
#2 認知症とヘルシータウン
認知症カフェを実現するための課題は?
猪早さんは、20年前からデイサービス《デイホーム笑実里》を自宅で開所しました。認知症の人が家庭で過ごすように、家族のように、普通の家に6人~7人の方たちが集い、地域の方がサポートする取り組みを続けてきました。平成17年に小規模多機能型居宅介護事業が始まったことを受けて、小規模多機能型介護の地域の拠点として、デイサービス、宿泊、訪問を提供しています。
認知症の人は、言葉や記憶が不自由だが、その人を生きている。その人のことをしっかり受けとめ、関係性ができると、穏やかに暮していける。丁寧に寄り添う姿勢についてご紹介いただきました。このようなコミュニケーションは経験の積み重ねが大切で、認知症について勉強した人も現場に入ってすぐにはできない。コミュニケーションを習得していく大切さにもふれていただきました。
猪早さんの話も踏まえ、「認知症カフェ」を行ううえで、何が課題となるか、話し合いました。
- ・どんな人が、なぜやっているかがわかりにくく、参加しにくい
→ 何を生み出すのか? 話し合うことに、どのような意味があるのか?
→どのような人が参加するのか?
→そこで話し会ったことが、どう使われるか? - 「認知症カフェ」と「認知症」を前面に出しているが、接するのは「人」。
- 人を大切にするイメージよりも、専門家や行政が主導している雰囲気がある。
交流の楽しさがイメージできない。 - 専門家主導で啓発されそうな感じがする。知識や理解を求められてしまう
- 「認知症」に悲惨、暗いイメージしかない。辛い経験の話ばかりになるイメージ。
- 認知症の家族をケアできていない、施設に入れたことなど話しづらい
- 家族では客観的に話しづらく、感情的になってしまいそう
- 認知症の人や家族がいた時に、どのように接したらいいか、わからない。
- 接し方の「コツ」を知らない。うまく接した経験がない。
- (認知症サポーターで知識や理解があっても、コツ・経験がないとできない)
- 軽度の認知症の人、元気な高齢者、ケアする世代などの間を取り持つ人がいない
- 認知症が地域課題という実感が持ちづらい。医療や介護ではできない領域がわからない。
- 参加すると「家族が認知症」などの噂になりそう。プライバシー、個人の秘密
- 費用対効果がわかりにくい。
- 近所の人の理解が得られにくく、場所の確保が難しい
- 小中学生の頃から、認知症や対話にふれる機会がないのでイメージがない
認知症について、理解するだけでなく、実際に接して、コミュニケーションする経験を多くの人が持てば、それは地域で多様な人を受けいれられる環境づくりにつながると考えられます。