開催レポート「自分のミッションを探求しよう~今・これまで・これからを結び、自分らしさを再発見する4つの対話」

書籍「ライフシフト」が注目されるなど、長寿時代に向けて、これまでの概念とは異なる新しい働き方が模索する人が増えてきています。エンパブリックでは、readiness for 2025の一環として、2025年に向けた自分のキャリアを考えるワークショップ「自分のミッションを探求しよう」を開催しました。「キャリアに迷っています」という方や、「定年を前に新しい一歩を考えたいです」という方々にご参加頂きました。

  【セッション1】 自分のトリセツをつくろう

セッション1では、「今の自分はキャリアの中でどんな時期?」といったような10個の問いによる対話を行い、自分は気づいていないけど、困難と感じていることや、自分が大切にしていること、自分の仕事に対する姿勢、願っていることなどを浮き彫りにしていきました。そして、これらの対話を振り返り、最終的に自分のことや、自分がどうしたいかを周りの人に伝えるトリセツ(取扱説明書)をまとめました。「自分のことをこれほど考えたことはありませんでした」「なんども言葉にしていることが自分のキーワードだと思いました」「自分の仕事の仕方や考え方のくせが改めてわかりました」「若い人はそのように悩んでいるのかと分かりました」といった感想も聞かれ、ご自身のことへの新しい発見につながったようでした。

【セッション2】 インタビューを受けて自分のこれまでを見つめなおそう

セッション2では、自分が書き出したキーワードをベースに、ペアでそのキーワードについて深掘りをしていくペアインタビューを実施しました。40分のロングインタビューでじっくりと、過去を振り返り、人に話すという機会はそうそうありません。最初は、40分も!という感じではありましたが、始めてみると40分はあっという間でした。
「自分がこだわっていることや考えていることの原点が小学校時代の体験にある」「これまでの大切にしてきたことをやはり今も大切にしたいと思っていること」「これまで、自分の困難に対する対処方法に法則があると整理できた」など、人に話すからこそ、今の自分が過去からの文脈でつながっていることに、改めて気づいていただけたようです。その後、ペアで相互の他己紹介プロフィールを作成して発表しました。自分ではよくないと思っていたことが、評価されたり、他者の視点で整理してもらえることが、また、あたらな自分への気づきともなっていたようでした。

【セッション3】 これからの自分をビジュアル化し、マイ・ビジョンをまとめよう!

セッション3では、未来を具体的に考えるというワークショップでした。多様なアプローチのワークから、未来について徹底的に考えていきました。
まずは、自分のステークホルダーマップということで、自分に影響を与えている人たちを、「仕事⇔プライベート」「同士⇔利害関係」さらにやり取りする頻度を軸にマッピングしていきました。このワークにより、自分の中にある「関係性・仲間」という資産を客観的にみることができます。また、「未来日記」のワークでは、自分の将来起こりそうなこと、起こると良いことなどについて、具体的に考えていきました。さらに、より自分の思いを浮き彫りにするため、「10年後の理想の姿は?」などの問いかけから絵を描き、対話をしながら、これからの自分について考えていきました。
具体的に未来日記という形で「未来」を考えたり、自分のありたい姿を絵に落とし込んでみることで、自分ってこれにこだわっていたんだと新たに自分に気づいたり、ぼんやりと考えていたことが明確になったと、自分の思いをより明確にすることができました。

【セッション4】ミッションをまとめ、次への第一歩を発表しよう

セッション4では、1~3のセッションを通じて、広がっていった自分の思いなどを、ミッションとして集約させていくワークと、それを実現するために必要な「資産・資本」「これから投資すべきこと」を考えるワークを行いました。1~3のセッションでどんどん広がっていった自分の可能性などを、4セッションで整理することで、みなさん、より明確なミッションとして集約できたと思われます。1~3を通じたからこその厚みのある、かつ具体的なミッションをみなさん出されており、ファシリテーターとしても大変うれしく思いました。

また、最後に4回を通じた振り返りを行い、改めて「今の自分」についても考えて頂きました。参加者の方の振り返りをお伺いすると、1~4のセッションを行ったからこそ、今の自分の環境や経験の価値を認識していただくことができたように思います。さらに、この一連のプロセスが、自分の中にあるライフシフトでいうところの「変化資産」を見つけるプロセスでもあったともいうことができます。自分の今、過去、未来と向き合うことで、今の自分の環境やこれまで築いてきた経験や関係性の資産価値についても気づいていただくことができたのではと思います。

次回は、夏の開催を予定しております。多くの方に、自分と向き合い、自分の価値を知っていただく場として体験をいただければと思います。

【参加者の声】

  •  自分の思いを、言葉にしてみること、表現し伝えることが大切だと思いました。伝えながら自分で気づくこともありますし、対話の中の他の人からヒントを頂くこともありました。参加してみて、自分は、今やっている仕事にこだわりや誇りがあることに気づきました。また、自分は自分のやりたいことを実現するのに近い位置にいるのだということもわかりました。これまで、つい後回しになっていた思いを同じくする人との交流を復活させることなどに、時間を割いてみたいと思います。(50代女性)
  • 転職なども考えていましたが、自分のいる環境はやりたいことを実現するために、できることもあると気づきました。自分の考え方次第だと思いました。今は、もっと今の職場で経験を積みたいと思います。(20代、男性)
  • いろいろと今の仕事についてモヤモヤしていましたが、対話の中で他の人から自分のやりたいことのキーワードを引き出して頂きました。ワークをしていく中で、今進んでいる道の方向はまちがっていないので、この道を進めばよいということが分かりました。もっと、勉強をしてみたいと思いました。(30代 女性)
  • 今の仕事に手ごたえを感じていませんでしたが、自分のスキルをつかって人のためになったり、社会を少しでも変えるお手伝いができるとわかりました。リタイアを前に色々準備を進めたいと思います。(40代 男性)