育休後カフェ ® × エンパブリック

11/1 育休後カフェ「ダイバーシティ実践のための社会心理学~無意識の思い込みを超えるには?」

■日時:2020 年11月1日(日)14:00~16:00

■参加方法:Zoomによるオンライン形式

「ダイバーシティ推進の制度を整えているのに、十分に活用されていない」
そんな声が多くの企業から聞かれます。
それは、なぜでしょう?

無理解な上司のせい? 女子社員に意欲がないせい? その会社の伝統?日本人の謙虚さ?

育休後コンサルタントの山口理栄さんは、育休後に自分らしく仕事も育児も充実できる職場づくりを数多くの組織で行ってきた中で、様々な課題に出会いました。

「子育て女性にリーダーは難しい」「子育て中は大変だから責任ある仕事は頼めない」「男性の育休って本当に必要なの?」と考える管理職や同僚の意識。「大変な思いまでして働かなくても」「私が諦めれば波風起こさない」という当事者の意識。「3歳までは子ども中心で」「子育て手伝うけど最後はママが」という家族の意識。
山口さんが気付いたのは、制度は作ればできるが、様々な”意識”の壁があり、そこを変えなければ制度は活きてこないことでした。

ただ、悪意ある偏見ならば問題の対処の方法がありますが、本人が相手に良かれと思って言っていること、自分のこれまでの経験や周囲の言葉から自然と身についていることも多く、”意識”を扱う難しさを感じながら、意識や風土の改革に取り組んできました。

現場で自分がぶつかっている”意識”とは何なのか?
それを多くの人に理解してもらうにはどうしたらいいのか?

そのように考えていた山口さんが出会ったのが、「社会心理学」でした。
例えば、自分自身が気付かないで持っている見方・考え方の偏りを示す「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」を理解することで、問題をより深く、多面的に理解し、問題解決へのアプローチも進めやすくなったのです。

そこで、今回の育休後カフェでは、社会心理学の専門家である北村英哉先生をお招きし、ダイバーシティ推進、働き方、子育てと仕事の両立などにおいて、どのように社会心理学の知見を活かすことができるのか、解説いただきます。
私たちも日常で偏見、バイアス、ステレオタイプなどの言葉を使いますが、その用語の意味や背景は何か、人の行動や役割分担にどのような影響を与えているのか、理論や実証に基づく視点を学び、それを現場の実践でどう活かせるか、みなさんで考えましょう。

ゲスト紹介

北村英哉さん
東洋大学社会学部社会心理学科 教授

■プロフィール

東京大学大学院社会学研究科博士課程中退 博士(社会心理学)。
専門は社会心理学、感情心理学。偏見、モラル、感情、バイアスなどを中心に研究。
主著『認知と感情』(ナカニシヤ出版)、『偏見や差別はなぜ起こる?』(共編、ちとせプレス)、『心の中のブラインド・スポット』(バナージら、共訳、北大路書房)、『よくわかる社会心理学』(共編、ミネルヴァ書房)、『感情研究の新展開』(共編、ナカニシヤ出版)など。

■北村先生からのメッセージ
人はそれぞれ自分では気づかないバイアスを持っているものです。理論や法則から自分自身のバイアスをあぶり出し、自覚することによって職場でのよりよい関係への出発点としていくことができるでしょう。人が陥りやすい状況と、そこから離脱する考え方について当日はお話しします。

開催に当たり

育児をしながら仕事でキャリアを積んでいく女性、男性を応援する活動を10年間続けてきました。
この10年で社会状況は大きく変わり、出産で仕事を辞めず、育休をとって続ける人が辞める人を上回るようになっています。

しかし、育児をしながら働く女性に対しては、仕事よりも育児を優先すべきという世間の見方が依然としてたちはだかっています。そして、なにより母親自身が、その考え方に縛られて身動きが取れなくなっており、しかもそれを自覚していない人もかなりいることに気づきました。
また、そういう状態にある女性が「管理職になりたくない」という発言をすると、それを文字通りに受け止めて、その背景にある男女差別の問題に気づかない上司が多いのです。人は、無意識のうちにさまざまな思い込みにしばられており、それが意思決定に影響しています。このことを皆さんに知ってほしいと思っていました。そこで出会ったのが、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)という言葉であり、クロード・スティール著「ステレオタイプの科学」でした。
今回、この本の序文をお書きになった、北村先生のお話しを聞くことで、社会的に刷り込まれた思い込みにしばられない方法を、みなさんにお伝えすることができれば、うれしく思います。

プログラム

1)イントロダクション「育休後の現場でぶつかる”意識”の壁」

育休後コンサルタントとして活動してきた山口理栄さんから、現場の実情や声を踏まえて、どのような意識、モノの見方の課題があるか、報告します。

2)解決 「職場を変えるための社会心理学入門」

東洋大学社会学部社会心理学科の北村英哉先生から、社会心理学の基本的な考え方、ダイバーシティや働き方改革に役立つ理論や知恵をお話しいただきます。

3)パネルトーク「育休後の課題克服に活かすには?」

山口さんの実践、北村先生の理論の組み合わせから、育休後の充実のために、どのように社会心理学の知見を活かせるか考えます。

4)グループトーク「無意識の思い込みを超えるには?」

社会心理学の視点から、参加者それぞれの現場・立場で感じる課題を分析できるのか、どう解決策を作っていけばいいのか、対話を通して考えます。

ファシリテーター

山口 理栄(育休後コンサルタント ®)

総合電機メーカーにて、2度育休を取り、部長職まで務めるた後、2006年から2年間社内の女性活躍推進プロジェクトのリーダーに就任。
2010年6月育休後コンサルタント®として独立。100社以上に女性活躍推進コンサルティングや研修を実施してきたことに加え、個人向けに2011年から育休後カフェ®を140回以上実施。企業の考え方も、働く女性の気持ちも深く理解する「育休後」のプロフェッショナル

広石拓司(エンパブリック代表)

思いのある誰もが新しい仕事をつくれる社会に向けて、対話を通して個人から始まるソーシャルイノベーションの仕組みづくり、社会課題解決型事業の開発につながる場づくりを実践。多様な担い手がコレクティブに協働して社会システムを変えていく「ソーシャル・プロジェクト」の実践ノウハウの体系化に取り組む。

このような方、ぜひご参加ください

・育休後の働き方、職場環境について課題を感じている方
・自身のキャリア形成に課題を感じている方
・育児と仕事におけるパートナーシップについて改めて考えたい方
・企業で働き方改革やダイバーシティに取り組んでいる方
・組織の文化・風土にイノベーションが必要だと感じている方
・アンコンシャスバイアスについて改めて学びたい方

*参加者の方へのお願い*

対話では、参加者それぞれの会社での経験を基に話し合いますが、対話の目的は、個別の会社の制度や組織、個々人の考え方の良し悪しを議論することや、問題をあげつらうことではなく、育休や育休後の現状を踏まえて、良い会社や社会ができていくための方策を話し合うことにあります。参加者全員が安心して対話できる場づくりにご協力ください。

参加費

2,000円(税込)

参加申し込み

育休後カフェ®「ダイバーシティ実践のための社会心理学~無意識の思い込みを超えるには?」に参加を希望する方は、下記ボタンをクリックし、チケット販売サイトpeatixから、チケットのご購入をお願いします。
参加される方には、後日、会議URLをご連絡いたします(peatixのメッセージにお送りします)。
*参加希望の方は、11/1  10:00 までにお申し込みください。
*zoomのブレイクアウトルームを使った、参加者同士で話し合う時間があります。

育休後カフェとは

育休後カフェ®とは、育休後コンサルタントの山口理栄氏が提唱している育休後の働き方をリラックスしながら考えるための場。仕事をしながら子育てしている(したい)方たちに、自分とじっくり向き合うための空間と時間をともに共有し、仕事も育児もあきらめないことを目指しています。

育休後カフェ in evrywhereとは

  • 育休後カフェ® in eveywhereの活動は、山口理栄氏の理念を広げ、より多くの人が参加できる機会を増やすため、山口氏とエンパブリックとで、「育休後カフェ®ファシリテーター」の養成をしています。現在、50 名程度が認定され、全国で活動しています。
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