開催レポート 縁パブ「(平成生まれの)やる気スイッチはどこ?」

3月18日(金)、「(平成生まれの)やる気スイッチはどこ?」をテーマにした縁パブを開催しました!

「職場の平成生まれの後輩たちと話すための、共通言語を探すのが大変」

「自分は昭和生まれだが、出世欲や物欲はない。
”平成生まれ”は、欲がない時期が長くなっているだけかも?」

「平成生まれの子たちは、最もカルチャーに勢いのある時期に、震災を経験している。
もし自分も同じ立場だったら、今とは違う考え方をしているかも」

など、まずは今回の縁パブに参加した背景を共有。

「自分と平成生まれの子は、どこか違うけれど、理解したい!」という気持ちが伝わってきました。

「平成生まれは違うな」と感じたことは?

最初に出されたオープニングクエスチョンは、「『平成生まれは違うな』と感じたことは?」。

・シェアの感覚。ルームシェアなど、何でもシェア(共有)する世代。

・仕事(に限らず)割り切って表面上で付き合っていくのが上手。
自分は仕事もプライベートも混ざるし、「とことん仕事を頑張るのが素晴らしい」という感覚がある。

・仕事現場にいる時間が短く、最小の労力でこなそうとする。
メディアなどで仕事のうわずみ(楽しい部分)を見てきているから、裏の苦労は触れたくない?

・仕事とプライベートの境界線がはっきりしている。自分は、いつも仕事のことを考えてしまう。

・ネット上で自分の情報をさらすことにあまり抵抗がない。ネット上にはカップル動画などが溢れていて驚く。

など、それぞれが持つ平成生まれのイメージを語りました。
今回は、参加者の中に平成生まれの方がいなかったので、真相を突き止められず・・・。

みんなで話したいお題は?

さて、ここまでの話を踏まえて、みんなで話したいお題を出し合います。

・平成生まれが40歳になったら「頑張る」のか?

・幸福や自己実現を目指すうえでの、昭和生まれと平成生まれの共通認識とは?

・昭和生まれと平成生まれのやる気スイッチは違うのか?

・自分の世代と平成生まれ世代にあるカベをこわすには?(こちらが無理に近づこうといているだけ?)

・世代によってイメージする「幸せ」「かっこよさ」は異なる?

などなど、どれも興味深いテーマ!

みんなで吟味した結果、

★昭和/平成生まれ世代のやる気スイッチ(頑張るモチベーション)とは?

という問いについて、特に対話することになりました。

たくさん面白い見意見が飛び出したのですが・・・ここではその一部をご紹介します。

どこに「自分の存在意義」を見出すか?

・昭和生まれの自分にとっては、「いまここにいる」存在理由のベースが仕事だが、下の世代はそうではないのかも。自分が入社したときには、「非合理」なものが社内に多くあったから、それにがむしゃらに取り組んだが、それが少しずつ整備されて、今は「合理的」なものが多すぎるからか?

・「わたしじゃなくてもこの仕事はできるんじゃないか」と思ってしまうと、存在意義が見いだせず、仕事のやる気スイッチも入りにくいのかも?

・苦労をして何かをゼロから「つくる」よりも、いまの世代にとっては「使いこなす」ことがかっこいいのでは。

・「誰にどう見られたいか・評価されたいか」が、昭和生まれと平成生まれでは違う。昭和生まれは、「会社」の中での評価を重要視するが、平成生まれは「自分のネットワーク」の中で「充実している」と見られることが大事?(人生の空白をつくりたくない)

・SNSなどが発達し、学生時代の仲がずっと続いてしまうことで、自分の繋がりをリセットすることが難しい時代ではある。常に周りからの期待にさらされているプレッシャーは、平成生まれの方が強い。

・youtuber(ユーチューバー)がもてはやされ、「好きなことを仕事にしなくては」という自分探しが過熱している。

・仕事では得られない(得たくない?)「必死に何かを作り上げる感」を会社の外に求める結果、ダンスなどプライベートの充実を重視する平成生まれ世代が多いのかもしれない。

中間ふりかえり:気付きと疑問

ここまでの対話をもとに、参加者それぞれが気付いたこととまだ残っている疑問について共有します。

・平成生まれは、人生の「空白」をつくりたくないから存在理由を探してしまう。
→「平凡な毎日がいい」と思える時は来るのか?/40歳になったとき仕事との向き合い方は変わるのか?

・いまの時代のSNSは、「1対多」のコミュニケーション。昭和生まれは、やり直せる良さがあった。
→どう1対1でつながれるか?/「いいね!のつかない日常にどうしたら意味を見出せるか?

・「わたしじゃなくても」というのは、空白への恐怖なのかもしれない。
→仕事を通じて、どう変化していくのがいいのか?

・自分の若いときにもSNSがあったら、たしかに「アピールしなきゃ」と思ったかも。
→合理化は飽くなき探究であり、実際は終わりがない。平成生まれの社員のためにもう一度非合理性を生む必要があるのか?

・いわゆる「リア充」は「非合理」を楽しめている状態なのかも。また、世代によって仕事の定義と範囲が異なりそう。
→存在理由を探している平成生まれの社員は、どんな働きかけあればそれを仕事で見出せるのか?

・「つくる」プロセスを経験していないまま、出来上がったレールに乗っかるからモチベーションが上がらない。
→背景・プロセス・時間感覚に納得できると動ける。それをどう仕事で意味づけるか?

また、昭和生まれと平成生まれの社会背景の違いについて対話が弾みつつも、「せっかくなら意味のあることがしたい」という気持ちは変わらないのでは?という意見も挙がりました。

平成生まれのやる気スイッチをオンにするには?

・仕事を作り上げている一員だという安心感があること。夫婦だけど「愛してるよ」と毎日言う感じ。

・今いるところ(SNSの中にではなく仕事の時間)に意味を持たせる。昭和生まれは、それを伝えるのが苦手かも。

・見ている時間・範囲を上の世代が合わせる。合理化の裏にある課題を見せる。ワークライフバランスを尊重する。

・「わたしがここにいてもいいんだ」と思ってもらえる場づくり。過去の経験の中にそう思えたものがあるはず。

・かけがえのない感。空白への恐怖を埋める意味づけがあるといいのでは。

また、最後に出た興味深い仮説として・・・

(昭和)    (平成)

仕事     会社
↑      ↑
会社     仕事
↑      ↑
自分     自分

上の図のように、昭和生まれは「自分」と会社」の距離が近く、個人の力=会社で仕事ができるかどうか、だったが、平成生まれの場合は「自分」と「会社」の距離が遠い(安定を信じられない)ので、会社だけではなく自分で生きていかなきゃという思いが強くなるのでは・・・ということ。

でも、実は「昭和世代だって、会社にものすごい強い忠誠心があるわけではなく、常に『この場所しか知らない』という恐怖感はある」との意見も。でもそれは平成生まれ世代の社員からは見えづらく、「先輩みたいな社畜になりたくない」と思われているかもしれない。

そうだとすると、そこには世代を越えた共通の気持ち(=カベを壊して理解し合えるヒント)があるのでは?!と盛り上がりました。

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いかがでしたか?
「平成生まれの考えていることはわからない・・・」という雰囲気で始まった縁パブでしたが、対話を通じて認識を掘り下げていくことで、単なるジェネレーションギャップで終わらない仕事観や価値観の話になり、今回も有意義な時間となりました。

「ここまで平成生まれの人たちついて、思いの丈を話すことがなかったので貴重な時間でした」との声も。参加してくださった皆さん、ありがとうございました!

これからもエンパブリックは、「そうそう!そのテーマで話してみたかった」という問いかけをし、対話を通じて深めていくプログラムを企画していきたいと思います。本レポートのご感想や、今後開催する講座やワークショップのリクエストがありましたら、ぜひお気軽にご連絡くださいね。
Eメール:info[アットマーク]empublic.jp

【次回予告】
テーマは検討中ですが、4/15(金)19:00-22:00に縁パブを開催予定です!
ご興味ある方は、ぜひスケジュールを空けておいてくださいね◎