2025年への地域社会システムを住民が自らつくるモデルの開発

対話を活かして、一人ひとりの思いを活かした新しい仕事を立ち上げる

2020年代を通して地域社会は、2010年までと大きく変わっていくでしょう。超高齢化、格差、コミュニティの弱体化、財政緊縮、人口減少、サステナビリティ対応など、前提条件が変化し、地域を支えてきた構造自体の見直しが不可欠になってきます。

環境の変化を乗り越え、持続可能な地域をつくるには、地域に暮らす人たちの意思と力が不可欠です。行政らが「助けてあげる」時代から、住民・市民が「自らつくる」時代へ。

エンパブリックは、住民・市民の中に潜在化している可能性を、対話の出会いと相互作用を通して自ら気づき、仲間を広げ、継続・発展していける事業を立ち上げる「きっかけ」と「舞台(出る杭を育み合うコミュニティ)づくり」のプログラムを提供しています。

いくら可能性やリソースがあっても、それが種に止まっていたり、小さな芽のままでは地域は変わりません。土壌を豊かにし、適切に日や水を得られる環境整備こそが、地域の起業という花を増やし、それがつながりという生態系を豊かにし、持続可能な地域を実現するのです。

2025⑧年に向けて、今が動き始める最適の時です。

シェアする活動からコミュニティを育む ~ ちよだコミュニティラボ

都心回帰によるマンション住民の急増し、プライバシーを重視し、地縁が弱まり、町会活動に積極的ではない新住民も増える中で、どのように地域につながりやコミュニティをつくっていけるか。5年後、10年後に地域の伝統あるコミュニティの良さと、新しい住民や在勤者などの力も活かしながら、千代田区らしいコミュニティの姿を区民との対話を通して考え、助成していくラボ(探求の場)として「ちよだコミュニティラボ」に取り組んでいます。

ラボでは「町会・連合町会の新時代に向けた町のシェアの仕組みづくり」「新住民が自分の問題意識をシェアし、コミュニティを立ち上げる応援」「NPO、大学などテーマでつながる活動も地縁組織が課題やリソースをシェアする場(ちよだコミュニティラボライブ!)」に取り組んでいます。

2018年度は「シェアリング@千代田」を年間テーマに、町のシェア・課題のシェア・リソースのシェアから新しいプロジェクトが立ち上がるための対話やプログラムの設計、提供に取り組んでいます。

地域の共創力の向上支援 ~ 東京ホームタウンプロジェクト「共創力アップ・プログラム」

団塊の世代が75歳を超える2025年以降、東京の後期高齢者数は激増します。その時代に向けた地域包括ケアの推進には、個々の利用者へのサービス提供に加えて、「地域づくり」、つまり、多様な関係者と協力し、超高齢社会に向けて必要な地域基盤を整えていく必要があります。エンパブリックは「東京ホームタウンプロジェクト」にアドバイザーとして参画し、人のつながりの弱くなっている東京で支え合いのコミュニティをつくるために、住民や多様な機関が主体的に連携する地域を守り立てていく「コミュニティ共創力」を自治体、中間支援機関などが伸ばすためのプログラムを提供しています。

高齢世帯の住民主体の活動立上げ支援 ~ 狛江市「総合事業 通所型サービスB」立上げ支援

エンパブリックでは、狛江市で2017年度から住民主体の介護予防活動の立上げを支援と目的とした「介護予防に役立つ地域活動講座」を実施しています。

多くの人たちが介護予防に関心を持っている一方で、「自分達で地域の人たちと定期的な活動を立ち上げる」のはハードルを感じる人も多くいます。そこで、私たちは「介護予防に役立つ地域活動講座」として、まず「介護予防」に関心ある方たちに集まってもらい、介護予防の大切さの理解を促す講座と体操体験を行いました。体操体験を通して「これを続けたい」という気持ちを守り立てながら、「どうしたら続けられるか?」を共に考えました。その結果、2018年4月より、市内の70代、80代の女性たちがコアメンバーとして、「えがおいきいき~いつまでも元気で暮らすための体操サークル」として活動が立ち上がったのです。

複雑化する地域課題に対するCollective Impact型課題解決の実現サポート ~ 大田区「六郷助け合いプラットフォーム」立ち上げ支援

エンパブリックでは、平成29年度の東京ホームタウンプロジェクト「伴走支援」において、大田区社会福祉協議会の「六郷助け合いプラットフォーム」の立上げをサポートしました。地域課題が複雑化する中で、地域の多様な主体が連携した活動を進めるために、コレクティブ・インパクトの考え方を応用し、「単独では解決できない地域課題の共有」を深める対話の実施をサポートしました。それによって、「多様な主体で助け合う意味」を実感した参加者によって、助け合いプラットフォームが立ち上がりました。

まちの起業がどんどん生まれるコミュニティをつくる ~ 文京ソーシャルイノベーション・プラットフォーム

2013年度から2016年度にかけて、文京区とエンパブリックの協働によって実施した「文京区新たな公共プロジェクト」は、地域課題を自ら解決する住民主体のプロジェクトの立ち上げと継続力向上を目的として行われ、4年間で60以上の地域課題解決の事業・活動を生み出しました。

特徴は、対話から始まるステージアップのプロセスを整備したことにあります。地域に住む人、通う人には、地域に関わりたい気持ちがあっても、参加できていない人が多くいます。一方で、地域には課題を持っている人も、思いのある人、技術のある人、場所を持つ人、ネットワークのある人など様々に持っているものがあります。自治体、企業、既存のNPOなどの機関も多数あります。対話から始まるプログラムは、区民自らがそれを結び付け、活動の力としていくソーシャル・プロジェクトのプロセスと技法を、体験によって身に着けていく過程となっていました。

右図は、成果検証会議において、上記のプロセスをまとめた際に、個人的な活動を行っていた人が、自分の興味から始まり、対話を通し、仲間と出会い、視点を深めることによって、地域課題解決の担い手へと進んでいく学びのプロセスを、ループ図としてまとめたものです。

対話から生まれる自分らしい人生を拓くナリワイ ~ 鶴岡ナリワイプロジェクトの応援

「鶴岡ナリワイプロジェクト」は、山形県鶴岡市で立ち上がった、地域の女性たちが中心になって「自分の好きなこと × 地域の人に役立つこと」で、月3万円売り上げる自分のナリワイを生み出す活動です。エンパブリックは、この活動を応援しています。

仕事づくりの方法はシンプルです。
月に1度集まり、自分の実現したいナリワイについて語り、行ってきたことをふりかえり、次の1か月に実行することを確認する。
このような対話の場があることで、思いのある人が集まる場所ができ、相互に刺激し、助け合う仲間ができます。そして仲間がいることで、一人の時には見えていなかった考え方や地域の資源、顧客のニーズへの理解が深まり、地域にあるチャンスを見つけ出してきました。その結果が2年間という短い時間で、しかも地域の中でほとんどコストをかけずに、地域に眠っていた可能性が芽を出し、花を開いていったのです。

そこに参画した女性たちにとって、ナリワイづくりは、家族の仕事+自分のナリワイという新しいライフスタイルを広げること、月数万円のビジネスを複数組み合わせた自由な仕事の生き方を生み出すこと、月3万円でつかんだコツを活かし本格的なビジネスへと発展させること、UIターンしてきた人が自分の好きや得意を捨てずに生きていけること。
そんな自分らしい主体的な生き方を自らつくりだせることこそがゴールです。
地域での仕事づくりは、お金だけでなく、社会的な意味、ライフスタイルとの結びつきなど多面的な意味と可能性を持っているのです。

この取組みは、市内はもちろん、各地から注目を集め始めており、私たちは全国の地方の街に広げるためのモデルづくりを支援しています。

新しい仕事を生み出す場づくりを

地域に暮らす多くの人が、問題に気づいていた李、アイデアを持っています。しかし、それを口にしたり、動き出したりするには大きなハードルがあります。「自分一人で何とかしよう」とすると、地域で何かを始めるのは、とても大変なことです。

対話を通して、出会い、自分の考えを口にし、他の人たちの声から自分の考えと地域の課題やリソースに気付く。そして、一緒に考え、動き出せる人と関係性をつくりながら、自分のアイデアを試行錯誤していくプロセスから、新しい仕事が生まれていきます。

変化を起こすのは「自分の実現したい未来」をまとめ、その実現に向けて周りに「問いかける」ことです。問いかけによって、周りの人たちが「問い」を分かち合い、共に試行錯誤を始めるのが、大きな力となります。

それを推進するには、きっかけから整理し、問いかけ、関係をつくり、試行錯誤していくという一連のプロセスに必要な「設計された出会いと対話の場」を整える必要があります。エンパブリックでは、第1歩から本格的な事業化までに必要なプログラムをパッケージとして提供しています。

私たちの目指す姿、基本的な考え方を、情報誌「地産知縁」にまとめています。
ぜひ、ご覧ください!