なぜその問題は解けない? empublicメルマガ「根津の街から」

◆empublicメールマガジン「根津の街から」 -◆

(2017年9月7日発行)

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東東京を起業を通して盛り上げることを目指すWEBマガジン「イッサイガッサイ」に広石のインタビューが掲載されています。最近、広石がよく言っていることを、うまくまとめているな~と思います! ぜひお読みください。

〇「何かを始めたいなら4人チームを組むといい」エンパブリック流、明日の仕事のつくり方

https://eastside-goodside.tokyo/cat-interview/14242

 

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<INDEX>

◆1◆ コラム「なぜその問題は解決できないのだろう?」(広石)

◆2◆ この秋、複雑な問題への対応力のアップを!

(1)ゼミ「複雑な正解のない問題に挑むためのダイナミック・パートナーシップ実践法」(全2回)

(2)ゼミ「問いかけ力を磨こう」(全6回)

(3)ゼミ「サステナビリティ&ビジネス~SDGs時代の事業構想力を身に着けよう」(全5回)

◆3◆ 都心の街のコミュニティの現在とこれからを考える
「聴こう 話そう!これからの千代田のコミュニティのこと」

◆4◆ 編集後記

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◆1◆コラム「複雑な、正解のない問題を解決するには?」(広石)

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待機児童が2万6千人にのぼっているとニュースで取り上げられていました。
政治家の方、特に首長選挙に出る方は「待機児童を解消します!」と選挙で公約し、保育園を作ることで解決しようとします。

では、待機児童200人の自治体が、200人分の保育園を作ったら、待機児童はなくなるのでしょうか?

直感的に「そうはならない」と感じる人が多いのではないでしょうか?
実際に、これまでも多くの自治体で「待機児童がゼロになった」と宣言した後、また待機児童が増えています。

「待機児童200人は、保育園200人分作れば解決する」という考え方は、表面的に出ている問題を取り除けば、問題は解決できるという考え方であり、問題の同定・除去が解決という”直線的な課題解決の発想”です。

現代の待機児童の問題は、実に多様な要素が絡んでいます。
女性の社会進出、子育てをめぐる夫婦関係、子育て世帯の家計、仕事と自己実現の結びつき、家族サポートの減少、コミュニティの弱体化、企業での働き方、ネットでの情報流通、保育園に入れる町への移住、保育士の不足、保育士の就労環境、自治体財政などなど。
これら多数の異なる文脈の個別要素が相互作用しあっています。

ある地域で待機児童がゼロと報道されると周囲から保育園を熱望する人が移住し、結果的に元から地域にいた人から入れなくなる人が出てきます。
保育園を立てても、保育士不足があり、コストが跳ね上がり、財政が厳しい中、増設は難しくなります。
何か一つを取り除けば解決できる状況ではないのです。

 

ここでわかるのは、待機児童問題とは、「待機児童数」が問題なのではなく、現在の子育てをめぐる環境、親の意識などの多様な要素が絡み合う“状況全体”の一つの結果(表象)だということです。
「待機児童数への対応」ではなく、子育てをめぐって、今、何が起きているのか、どのように状況は年々変化しているのか、その全体像を捉え、地域全体の子育て問題への対応を考えるアプローチが求められているのです。

この待機児童問題のような行き詰まりは、あちらこちらで起きています。
企業文化の改革、イノベーションの実践、サステナビリティの取組み、医療費の適正化、貧困問題、地域包括ケアなど、多くの人が重要な問題と考え、取り組んでいるのに状況が改善せず、むしろ、悪化するものさえあります。

それらに共通しているのは、「複雑な問題」に対して「単純な問題」の解決法で、アプローチしていることです。

複雑な問題とは、多数の文脈の多数の要素が相互影響しあいながら、時間の流れの中で動的(ダイナミック)に状況が変化していく問題です。
複雑な問題に挑むには、個別に要素を分解して重要な課題を探る解決法ではなく、系(システム)全体の問題への対応力を高める包括的で、動的な解決法が必要です。

自分の扱っている問題が、重要だと多くの人が認識し、色々と手を尽くしているのに、解決できない状況にあるならば、それは、「複雑な問題」に「単純な問題」の解決法でアプローチしているのかもしれません。

そのような時、「何が問題なのか?」「解決とは、どういう状況になることか?」とそもそもから問い直すことから始めてみては、どうでしょうか?

 

◆2◆ この秋、複雑な問題への対応力のアップを!

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(1)ゼミ「複雑な問題に挑むためのダイナミック・パートナーシップ実践法」(全2回)

【内容】 複雑な問題は、個々の要素の積み上げではなく、要素間の相互作用を踏めた系(システム)全体の問題への対応力(結合的ケイパビリティ)を高める取り組みが必要です。
このプログラムでは、社会や組織に起きている複雑な問題を解決していくために、どのような考え方の転換が必要なのか、そして、解決法を実践するために、どのような協力関係(協働、パートナーシップ)を進める必要があるのかを、講座と対話を通して考えます。自分の問題解決法を、21世紀型にシフトしませんか?

【日程】水曜夜コース 10月4日(水)& 25日(水) 19:00~21:40
金曜昼集中コース 10月20日(金)10:00~16:30

【ナビゲーター】 広石拓司

【参加費】前後編セット 14,000円(税込、資料、茶華付)

*ゼミ「問いかけ力を磨こう」とのセット割引、過去のゼミ参加者割引があります。

【詳細・お申込み】https://empublic.jp/7589

 

 

(2)ゼミ「問いかけ力を磨こう」~本質を探り、変化を生む場をつくるために

【内容】複雑な問題、正解のない問題を解決するには、先ず、何が問題なのか、それを誰と考え、取り組んでいくのか。そこから見直す必要があります。 問いかけ力を見直すことは、自分の経験、理想、試行フレームワークを見直し、他者との関係性の基本を見直すことです。

【日程】10月~月曜夜コース 参加者募集中! 各回19:00~21:30

第1回:10/23:問いかけ入門 ~アクティブ・リスニング
第2回:10/30:関係性を育む問い ~合意形成ファシリテーション
第3回:11/6 :学びを促す問い ~ラーニング・ファシリテーション
第4回:11/20:チーム力を高める問い ~ダイバーシティ・ファシリテーション
第5回:11/27:問題の本質を探る問い ~システム思考 ファシリテーション
第6回:12/4:未来を拓く問い ~イノベーション・ファシリテーション

(セット申込の方は欠席会を、別コースにふりかえることができます)

【ナビゲーター】 広石拓司

【参加費】 6回セット 30,000円(税込、資料、茶華付)

【詳細・お申込み】 https://empublic.jp/questioning

 

(3)ゼミ「サステナビリティ&ビジネス ~SDGs時代の事業構想力を身に着けよう」(全5回)

【内容】「企業は利益を追求する存在」というシンプルな論理は、もう過去のものになりました。変化が激しく、不確かさを増す世界の中では、過去最高益だった会社があっという間に業績が悪化したりします。今、全ての企業に問われているのは、 売上、財務状況と、中長期を見据えた非財務(環境、社会、ガバナンス)を高度に 統合した、中長期的に価値を向上していけるビジネスへのシフトです。「儲けるには?」というシンプルな問いから、 「社会課題解決と儲けと信頼をすべて満たすには?」という複雑な問いの時代へ。
サステナビリティ、社会課題解決型事業、CSV、ESGなどを貫く軸を考えませんか?

【日程】 10月~ 火曜夜コース 各回19:00~21:40

  •  第1回 10/10 2020年代(SDGs時代)のサステナビリティ&ビジネスとは?
  •  第2回 10/24 ソーシャル、コミュニティの力をビジネスで活かすには?
  •  第3回 11/7 統合報告から国内外企業のサステナビリティ事業を分析する
  •  第4回 11/21 責任ある企業に求められることは何か?どう実行するのか?
  •  第5回 11/28 SDGs時代のサステナビリティ&ビジネスを構想する

【ナビゲーター】広石拓司

【参加費】 全5回セット 30,000円(税込、資料、茶華付)

【詳細・お申込み】 https://empublic.jp/6759

 

〇 この秋、その他の根津スタジオのプログラムも充実!

プログラムの内容、お申込みはhttps://empublic.jp/nez_studio より

*ワークショップ・デザイン~参加型の学びの場の場のつくり方(9/24日)

*雑談から始まるファシリと場づくり(10/15日)

*自分らしい次の生き方・働き方をデザインしよう

~自分への理解を深め、自分の軸(ミッション)を探る4つの対話(11/12、26)

*理系女性・男性のための私の仕事とSDGSの関係を考えよう!(11/19)

 

◆3◆都心ならではのつながり方、コミュニティを考える!

 千代田区マンション・コミュニティ・ゼミ 公開対話
「聴こう、話そう これからの千代田のコミュニティのこと」(9/10)

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都心の町で心地よく暮らし、時間を過ごすには、どのようなつながりがあるといいのでしょう?

「つながりが大切」と言っても、昔の村社会のような姿は望まないでしょう。
しかし、つながりがなければ、孤立し、地域の問題解決力は弱まります。

つながり、助け合い、コミュニティ、町会は、多様な要素の絡む「複雑な問題」です。都心の代表地区である千代田区で、これからの地域のつながり、コミュニティはどうなるのか、
どのように作っていけるのか、対話を通して考える対話を開催します。

千代田区に住む方、通う方なら、どなたでも参加できます!

・開催日 2017年9月10日(日) 14:00~17:00 @千代田区役所

・詳細・お申込みは、「ちよだコミュニティラボ」http://chiyolab.jp/ にて。

ちよだコミニティラボでは、対話のテーマの背景にある課題や思いの紹介、 コミュニティの基礎知識など、他の地区にもヒントになる情報を掲載しています。

 

 

◆4◆ 編集後記

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問いかけゼミの第3回「学びを促す問い ~ラーニング・ファシリテーション」では、「たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」で紹介されている『質問をつくる授業』を体感するワークがあります。

先日、そういう授業をしている学校もあるみたいだよと高3の娘に話をしたら、「ムッチャいい!」と絶賛。彼女は、日々疑問ばかりなのだそうです。例えば、100円ショップで100円で売っているお茶が、コンビニでは160円でも売れるのはなぜ?とか。結構、鋭いじゃん!と親ばかながら娘を見直しました。

勉強が苦手な娘ですが、それは、いわゆる知識を教わる今の授業の形式に向いてなかったのかもなと、ちょっと納得したのでした。(矢部)

 

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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」

(第173号 2017年9月7日配信)

発行責任者=広石 拓司

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