街への愛着 empublicメルマガ 2017年7月6日

empublicメールマガジン「根津の街から」    (2017年7月6日発行)

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都議選でも注目を集めた千代田区は、神田、番町など伝統あるコミュニティのある街でもあります。同時に、都心再開発によって多くの住民が流入している新しい街でもあります。古くからある街と新しい街が共存する、これからの都心の地域コミュニティはどう発展できるのか。その取組をお手伝いする「ちよだコミュニティラボ」が、エンパブリックの運営により、始まりました。
千代田区に在住、在勤の方、都市中心部とコミュニティに関心ある方、ぜひご覧ください。

<INDEX>

◆1◆ コラム「街への愛着を生み出すもの」(広石)

◆2◆ 「ちよだコミュニティラボ」がスタート!
「マンション・コミュニティ・ゼミ」が7/9から始まります

◆3◆ 立教×日経「ソーシャルデザイン集中講座2017」7/19より

◆4◆ 根津スタジオのプログラム紹介

◆5◆ 編集後記

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◆1◆コラム「街への愛着を生み出すもの」(広石)

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「古くからある街と新しい街、どちらがまちづくりを進めやすいのですか?」
という質問が、社会人大学院の授業でありました。

近年、マンションが集中して立ち、短期間に数千人が増えて街ごと変わってしまう大規模な再開発も増えています。新しい街は、デザインや機能の充実したマンションがあり、街のデザインも、利便性もよく、ショッピングセンターなども整っているなど高機能な街です。そういう街の良さに魅かれ、その街を選んで人は集まってきます。
そのような街では、過去のしがらみに囚われず、新しく住み始めた人たちで、未来志向の地域づくりを行っていける可能性があります。

一方で、古くからある街には、歴史や伝統という資産がありますが、その分、土地の不文律の習慣や人間関係のしがらみなどもあり、これまでのやり方が重視されがちです。施設や利便性も十分でない部分もあり、住んでいる人の状況にも色々な違いがあります。

みなさんなら、どちらがまちづくりをしやすいと考えるでしょうか?

もちろん、どちらも良さも難しさもあります。

一見、新しい街の方が進めやすい条件が整っているようにも見えるのですが、新しい街よりも古くからの街の方が、とても大切な有利な点があります。それは、街の人に「この街でなきゃいけない」という気持ちのある人が多いということです。

新しい街をつくる時には、良い面をアピールします。開発する人たちが充実させようと頑張っていて、「整っていますよ、便利ですよ」というメッセージが出されます。すると、「自分に与えてくれるメリット」から街を選ぶ人が多くなります。そこから街と関係を作ると、街に対して消費者的な意識が強くなってしまいます。良くない点は不満となり、もし他にもっと良い条件の街ができたら買い替えるように移住するかも。

古くからある街に住む人は、良いところも悪いところも受け容れて生きてきています。
良い点、悪い点から様々な経験をし、街に関わるたくさんの物語を自分の中に蓄積しています。人間関係でも、良いところを見せあうだけの関係よりも、一緒に失敗し、苦労した経験がある人との方が友情を深まりやすいように、相手との物語の蓄積によって、自分のコンテクスト(文脈)と相手との関連が深まることが、愛着や関係性を深めます。

このように、街の十分でない面の経験が、「この街でなきゃ」という気持ちを深めていきます。
その街に、新しく住み始めた人も物語を共有することで、地域への愛着が深まるのです。

例えば、墨田区の向島地区は、古い木造建築が密集しており、火災や震災の際の被害の危険性が高い街です。
しかし、木造の古くからの街並みには居心地の良さがあり、地域の人の愛着があります。
だからこそ、向島の人たちは「リスクは大きいが好きな街」に住みたいからこそ、防災活動にとても熱心で、住民たちの関係づくりも進んでいます。

新しい街を作る時、行政やディベロッパーは良い面を整え、そのことをアピールしています。
開発や販売には仕方ない面もありますが、それは販売には良くても、居住後の地域コミュニティづくりを難しくしてしまっているかもしれません。

関わらなくても問題のない環境よりも、課題や不十分な面があり、リスクがある中で人と人が関わり合いながら色々な試行錯誤をしていくプロセスを通して関係性を育んでいく。
新しい街にも、古くからある街にも、今、そのプロセスが求められていると思います。

 

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◆2◆「ちよだコミュニティラボ」 http://chiyolab.jp/ がスタート!
「マンション・コミュニティ・ゼミ」が7/9から始まります

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今年度から、エンパブリックは千代田区「地域コミュニティ醸成支援事業」を受託し、これからを見据えた都心部の地域コミュニティの活性化のお手伝いを担うことになりました。

千代田区は神田、番町を始め、伝統ある地域コミュニティが根付き、これまで地域社会を支えてきました。
しかし、2000年の3.6万人から2017年の6万人超えと再開発による人口増の中で、これまでの地域文化や伝統、街の担い手や運営の仕組みを大切にしながらも、10年後、20年後を見据えた新しいコミュニティの姿をつくっていく時が来ています。

そこで、町会のこれからの活動の伴走支援、マンション住民のつながりを促す場の支援、これからの地域コミュニティの担い手たちのつながる場に取り組むことになりました。

6月中旬から、特設サイト「ちよだコミュニティラボ」を立ち上げ、取り組み状況や関連情報の発信を行っています。
これからの社会において都心部の地域コミュニティの新しい可能性を拓いていくお手伝いができればと考えています。

もし、千代田区在住の方をご存知でしたら、このような事業が始まったとご紹介いただければ幸いです。

また、サイトをご覧いただき、ぜひご意見、ご感想をお寄せください!

http://chiyolab.jp/

 

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◆ 千代田区のマンション居住者のための
◆ 「マンション・コミュニティ・ゼミ」 7/9(日)~スタート! ◆

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千代田区内のマンションに住む人たちが、より充実した暮らしを行うためにまず同じマンション内で、さらには地域と、どのようにつながることができるか、マンション毎の特性や住む方それぞれの考え方に配慮した新しい発想での取り組みを共に考え、実践しながら学ぶ地域ゼミが始まります。

7/9(日)~12/6(水)までの全10回のゼミを通して、マンションに住む方自身が、他のマンションの方と意見交換しながら、ご自身のマンションの特性、状況に応じたコミュニティづくりを進めていけるよう基礎から実践までを応援していきます。

第1回(7/9)「千代田区のマンション暮らしの魅力と困り事を話そう」には、1回だけの参加も可能です。千代田区内マンション居住者の方なら、どなたでも参加できます。

これからのマンション暮らしを考えたい方、ぜひご参加ください。

ゼミについても、千代田区在住の方にご紹介いただければ幸いです。

★ ゼミの内容・申込はこちら http://chiyolab.jp/archives/2090

 

◆3◆ 立教×日経ビジネススクール「ソーシャルデザイン集中講座2017」開講‥
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立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科と日経ビジネススクールによる夏のビジネスパーソンのためのソーシャルデザイン集中講座、今年も開催します!

代表の広石もソーシャルビジネスについての講座を担当します。今年は、企業の参画も求められるSDGs時代には、ソーシャルビジネスの担い手も期待されることも変質していることを伝えることができればと考えています。

ビジネスパーソンが初めてソーシャルイノベーションを学ぶ機会として好評をいただいています。

今年は水曜、木曜、土曜の3つのコースで、7月19日から開講します。

詳細はこちら http://school.nikkei.co.jp/special/sds2017rk1/

 

 

◆4◆ 根津スタジオのプログラム紹介‥
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*根津スタジオのプログラムは https://empublic.jp/nez_studio でご覧ください

〇 対話シリーズ「Spiritual Healthを探求しよう」

第3日「魂の健康づくりとは? ~自分らしい実践法を考えよう」(7/22土 午後)

*第1回には20名が参加し、医療、介護の現場にいる方、地域活動、会社員の方など多彩な人が集まり、病気など困難な状況でも、その人らしく生きるとは、どのようなことなのか、対話を深めました。次回は土曜開催です!

〇リケジョのためのSDGs使いこなし入門~自分の仕事の社会にとっての意味を考えよう
(8/6土 午後)

*SDGs(持続可能な開発目標)は技術者や開発者にも仕事の意味を深めるチャンスです。矢部が女性技術者フォーラムで行ったワークショップを根津スタジオでも開催します。理系女性以外の方も、歓迎です!

〇「雑談から始まるファシリと場づくり~つながりと協力を促すファシリテーションの基礎」
(8/19土 午前)

〇ゼミ「問いかけ力を磨こう~ 本質を探り、変化を生む場をつくるために」

8/22~ 火曜夜コース スタート

 

◆5◆ 編集後記

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次女が高校3年生ということもあり、人生でPTAに関わるのも最後だろうということで、今年は卒業対策委員を引き受けることに。今回ご一緒する卒対委員は、お仕事をしているお母さんがほとんどのため、それ前提の活動の進め方がありがたいです。
PTAの活動は脈々と受け継がれている仕事をやるものだと思いその通り踏襲することが多いですが、それでなくてはいけないという根拠がないことが多く、本当は自由にやれるもの。今回のメンバーでは、自分たちのやりやすいように、やりたいように、子ども達のためにやろうということになっているのが、やる気のでる要素かもと。

PTA活動は、どうしても面倒くさいと嫌煙されることが多いですが、この進め方なら楽しくなりそうです!
卒対委員の主な仕事は、卒業を祝う会(イベント)の企画運営ということもあり、本業も活かされる?!

(矢部)

 

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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」

(第170号 2017年7月6日配信)

発行責任者=広石 拓司

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