empublicメールマガジン「根津の街から」 Vol.146 (2016/5/2)

本日5月2日、お陰様でエンパブリックは創業8周年を迎えました。
皆さまからの温かいご支援に心より感謝申し上げます。
4月に引き続き、今月も8周年記念プロジェクトを進めていきます。
エンパブリックが今、みなさんと話したいことをテーマにしたイベントや講座が目白押し!
ぜひお気軽にご参加くださいね。

‥ INDEX ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

◆1◆ 8周年を迎えて「VUCAの世界を生きるために」(広石)

◆2◆ 8周年記念トークイベント第2夜 開催報告

◆3◆ 根津スタジオからのお知らせ

◆4◆ 編集後記

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◆1◆ 8周年を迎えて「VUCAの世界を生きるために」(広石)
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エンパブリックは5月2日に8周年を迎えました。
改めて、みなさまの長きにわたるご指導、ご協力に深く感謝申し上げます。

2008年の創業時には、場づくりやワークショップという言葉はごく一部の人が使っていました。
その後、「つながり」や「対話」の価値が見直される中、近年急速に理解は広がっています。
そのような中で8周年を迎えるにあたり、今、何を考えたいか、みなさんと対話したいかを考え、8周年記念イベントや講座、ゼミなどに取り組んでいます。

8周年記念トークイベントの第1夜「地縁がイノベーションのエンジンとなるには?」(4/26)には、
長野や茨城からの参加も含め、17名の地域づくり実践者の方たちにご参加いただき、活発な対話となりました。

よくイノベーションは、異質なもののつながりから生まれると言いますが、対話の中で「異質の質とは何か?」という疑問が参加者の方から出されました。
その問いに対して、ゲストの社会哲学者である古市太郎さんから、このような回答がありました。
「Yes・No、賛成・反対、内か外か、わかるものは異質ではない。異質とは、こちらの思考の枠組みを逸脱する、いわゆる、訳がわからないもののことだ」

多様性の大切さが言われますが、ある決まった枠組みの中に異なる経験や意見を持つ人を集めるのは、多様かもしれませんが、異質のつながりとはならないのかもしれません。
こちらが良いと思ってしていることに、急に関係ない人が怒り出す。なぜ、その人が怒っているのか、わからない。
そんな存在が異質な人なのです。
この時に、我々は考えるのでしょう。
良いとは何か、誰にとってなのか? 対象者は誰か?その人が怒るのは、どのような文脈からなのか?
そのような枠組みを揺るがすようなプロセスのある出会いや対話にこそ、イノベーションの可能性があるのでしょう。

また、もうお一人のゲストである佐藤真久さんは、グローバルな問題と地域の問題がシンクロしているという視線の大切さを話されていました。
佐藤さんが紹介していた言葉が「VUCAの時代」です。
VUCA とは、 Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をとったもので、欧米の経営者らが「VUCAの世界で、どう経営するか」をテーマにすることが増えているそうです。
VUCAとは、従来の経営からみて、まさに「異質」なものです。
半年後、環境が激変するなら、計画を立てるのも難しくなってきます。
だからこそ、いったい何が大切なのか課題を設定し、果敢に試行錯誤するプロセスがカギになってきます。

エンパブリックは「正解のない問いを共に生きる」をテーマにしてきましたが、これはVUCAの世界での生き方を考え、試行錯誤してきたのだと改めて発見がありました。

そして、自分の枠組みを揺らすような課題の再設定につながる「問いかけ」、正解がない中での「学びあい」を進めるプログラムを、どんどんと進めていきたいと改めて考えました。

これからも、なお一層、努力してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

*「トークイベント第3夜」は5/10(火)夜に「ビジネスがおかしくなる時」をテーマに開催します。
https://empublic.jp/5477
*6つの切り口から本質的な解を得るための問いかけを考える「問いかけ力を磨こう」は5/12~スタート!
https://empublic.jp/5260
*第1夜のゲスト 佐藤真久さんによる「変化・不確実・複雑・曖昧(VUCA)時代の協力・協働の推進力『ソーシャルラーニング』を学ぶ」を5/28(土)に開催します!
https://empublic.jp/5538

◆2◆ 8周年記念トークイベント第2夜 開催報告
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去る4月27日(水)、NPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんと、中野区議会議員の中村延子さんをゲストに迎え、8周年記念トークイベントの第2夜「若者が本当に投票したくなる選挙を実現するには?~「行かなきゃいけない」から「行きたい」に変えるには、誰に、何を問いかける必要があるか?」を開催しました。大学生や会社員、学校教師などさまざまな立場の16名の方々にお集まりいただき、大盛況でした。

オープニングトークでは、「投票に行こう!」という呼びかけよりも、学校や地域、家庭などで政治との接点をいかに増やすかが大事だと考えている、と原田さんが話し、「10代の親世代をどう変えるのか?」という問いの投げかけがありました。また中村さんがアメリカで過ごした高校時代に、先生から「自分の生活の周りにある関係性すべてが政治だよ」と教えられたこと、大学時代の友人との経験から政治が深く生活に影響を与えていると実感したことから、若い人たちの参加を広げる仕組みが必要だと感じている、と話してくださいました。

ここで参加者の皆さんから出された問いが、どれもユニークなものでした。たとえば、

・若年層の投票率が低いからと言って、政治に関心がないわけではない。でも、政治について話すのがタブーだったり、知識のないことについては話しにくかったりという雰囲気がある。このタブーな感じはどうしたら取り除けるのか?

・政治を自分事に、とは言ってもなかなか難しい。どんな状況・タイミングで「自分事」になるのか?また、そのような機会は意図的につくり出すべきなのか?

・政治の話をすると意識高いと友人から思われるのは、政治どうこうよりも、日頃から自分の支持/不支持などを明確にして議論することに慣れていないからでは?自分が問題と思うことを話し合うには、どうしたらいいだろう?

・「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログが大きな話題になり、国会でも取り上げられるほどだった。果たして選挙で投じる「一票」は、政治的影響力という意味でブログに勝てるのだろうか?

など。

対話が進むにつれて、「政治から話を始めるのではなく、自分たちの生活について考えるうちに政治に行き着く、というのが自然なのではないか」という意見や、政治をサッカーに例えて「選挙というイベントは最後の試合のようなもの。普段から練習試合を観に行く機会があるといい」といった話が出るなど、政治に対する関心度も年齢層も異なる方々が集まったからこそ、興味深い展開が見られました!

最初に政治はよくわからないと話していた大学生や、以前より考える機会が減ってしまっていたという会社員の方から、「異なる背景や価値観を持つ人たちと話し、自分の頭で考えていると楽しくなってきたし、政治に対する関与意識も高まってきた」との声もあり、身近な課題の対話の場をつくっていくことの意義をあらためて感じました。

(齋藤)

◆3◆ 根津スタジオからのお知らせ
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△1▽ 創業8周年記念「問いかけを考えるトークイベント」第3夜
「ビジネスがおかしくなる時、何を見失っているのだろう?
~自分の仕事と会社が健やかに育つには、誰に何を問いかければいいのだろう?」
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「自分にとってやりがいある仕事」を見つけ、それが意味あるものであり続けるには、何が大切なのでしょうか?自分の属する会社がおかしくなりかけそうな時に修正できる方策はあるのでしょうか?コンサルタントの加藤誠也さんと共に考えます。 ※残席わずかです。お申込みはお早めにどうぞ!

【日時】 2016年5月10日(火)19:00~21:40
【ゲスト】 加藤誠也さん(アヴァンダンティア・グループ主宰)
【参加費】 一般:2,000円、学生:1,000円
【お申込み】 http://peatix.com/event/165138/

△2▽ ゼミ「問いかけ力を磨こう ~正解のない時代に仕事と課題解決の質を高めるために」
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問いを設定し、それを必要な相手に働きかけることから、新しい答やアクションを生み出す「問いかけ力」を
6つの視点から磨きましょう! ※全6回参加がオススメですが、各回単発参加も可能です。

【日時】
1)木曜夜コース :2016年5月12日(木)~6月16日(木) 19:00-21:30
2)火曜昼コース :2016年5月24日(火)~6月28日(火) 10:00-12:30
【プログラム】
第1回 問いかけ入門 ~相手も自分も元気になる問いかけとは? (アクティブ・リスニング)
第2回 関係性を育む問いとは? (合意形成)
第3回 学びを促す問いとは? (ラーニング・ファシリテーション)
第4回 チーム力を高める問いとは? (ダイバーシティ・ファシリテーション)
第5回 今ある問題の本質に迫る問いとは? (システム思考)
第6回 未来を拓く問いとは? (ソーシャルイノベーション、デザイン思考)
【参加費】 全6回 30,000円(単発参加 5,000円/回)
【詳細・お申込み】https://empublic.jp/questioning

△3▽ゼミ「自分のミッションを探求しよう~4つの対話でひも解く自分の役割」(土日集中開催)
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対話、インタビューで言語化する、図に描く、プレゼンテーションにまとめるという4つの異なるコミュニケーションを通して、自分自身の多面的な理解ができます! 3,4月も好評だったゼミの、土日集中コースです。

【日時】
第1回 2016年5月21日(土)12:45-15:15
第2回 2016年5月21日(土)15:30-18:00
第3回 2016年5月22日(日)12:45-15:15
第4回 2016年5月22日(日)15:30-18:00
【プログラム】※全4回参加がオススメですが、各回単発参加も可能です。
第1回 自分のトリセツをつくろう
第2回 インタビューを受けて、プロフィール記事を作ってもらおう
第3回 これから出会う自分をビジュアル化!~困ったときに頼れる「自分のクレド」をつくろう
第4回 自分のミッションを共感を呼ぶように伝えよう(プレゼンテーション)
【参加費】 全4回 12,000円(単発参加 3,000円/回)
【お申込み】 http://peatix.com/event/163856/

△4▽ 「変化・不確実・複雑・曖昧(VUCA)時代の協力・協働の推進力『ソーシャルラーニング』を学ぶ」
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既存の分野や枠組みを超えてつながり、共に探求する中で学びあう「ソーシャルラーニング(社会的学習)」はなぜ必要なのか?現場でどう実践できるのか?実践手法と裏打ちとなる理論の双方から解説と対話を行っていきます。

【日時】 2016年5月28日(土) 13:30-17:00
【ゲスト・ナビゲーター】 佐藤真久さん (東京都市大学環境学部教授)
【プログラム】
・なぜソーシャルラーニングなのか? ~VUCAワールドで求められる学ぶ力とは?
・協力・協働を効果的に行うための「学びあうプロセス」に必要なこと
・協力・協働を促すコーディネーターの役割
・自分の地域での実践手法を考える
【参加費】 8,000円
【お申込み】 http://peatix.com/event/166850/

△5▽ライフワークを考える対話 「稼ぎと務めのバランスは?」
土谷貞雄さんと考える、自分の時間の収益と社会貢献での使い方
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【日時】 2016年5月7日(土) 18:30-21:00
【ゲスト・ナビゲーター】 土屋貞雄さん(暮らしの研究家)
【参加費】 2,000円
【お申込み】 https://empublic.jp/5516

◆4◆ 編集後記
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もうすぐ子どもの日ですね。
私が住む千葉県流山市は「母になるなら、流山市。」というキャッチコピーのもと、子育て政策に力を入れています。子育て世帯が多く移り住み、全国でも珍しく人口流入に成功している自治体です。流山市で今、人気が上昇している子どもの外遊び場「ヒミツキチ」。市民団体が半年前に、ヒミツキチを立ち上げました。公園・農場・森など、移動サーカスのように場所を変えながら、自由でチャレンジングな子どもの外遊び場を創り出しています。

▼ヒミツキチFacebookページ
https://www.facebook.com/himitsukichi.project/

ヒミツキチで順番待ちになるほど一番人気のアイテムは、ノコギリです。竹をノコギリで切るという素朴な動作に、子どもは夢中になります。私は4才の娘にノコギリを初めて触らせるとき、ケガをしないかと怖くてドキドキしました。ところが3回目には慣れ、娘がノコギリを30分以上使っていても、落ち着いて見守られるようになりました。子どもはノコギリを使いこなせるようになると、自信がつきます。

私がヒミツキチに参加する一番の理由は、初対面の親同士もお互いに子どもを見守るという「助け合い」が、ここにはあるからです。別のお父さんに我が子を見てもらっている間、青空をぼーっと眺めたり草むらに横たわったりしてリフレッシュすることもできます。ここでは親が付きっきりで子どもの遊び相手になる必要はなく、長時間の見守りから解放されます。昭和時代はこのように、ご近所さん同士で助け合っていたと懐かしく思い出すほど。遊び場があるから人が集まり、そして、自然と「助け合いの場」にもなっています。

新緑がきらめく季節。鯉のぼりを見上げ、子どもの明るい未来を想像しながら、GW後半を楽しみたいと思います。
(宮尾)

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株式会社エンパブリック メルマガ「根津の街から」
(第146号 2016年5月2日配信)
発行責任者=広石 拓司

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