開催レポート 縁パブ「あなたにとってのホームタウンとは? ~地域と自分のつながりを考えよう」

3月9日(水)、「あなたにとってのホームタウンとは? ~地域と自分のつながりを考えよう」をテーマにした縁パブを開催しました!

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あなたのホームタウンはどこ?それはなぜ?

最初の質問は、「あなたがホームタウンと聞いて思うのは、どの場所?それはなぜ?」。

皆さん、自分が子ども時代を過ごした場所を思い浮かべるのかな・・・と思いきや、「ホームタウンがどこか思い付かない」という方もいらっしゃったのが興味深いところ。

ホームタウンだと思う理由としては、
原風景が残っている感じがする。
・キャッチボールなど、子どもの頃にそこで遊んだ思い出がある。
・人間関係もナリワイも、必死で1から作り上げた場所。
・転勤で暮らすことになっただけだったが、なぜかしっくり来た

ホームタウンがどこだかわからない、という理由には、
あちこち転々としてきたので、根付ける場所がないように感じている。
・自分の出身の街は、肌に合わない気がしている。
・仕事でも自分の街に関わっているが、なかなか「ホーム」という感覚が持てない

といったことが挙げられました。
また、“市町村”単位よりも、“○○地区”などもっと狭い範囲で考えた方がホームの感覚がわかる、といった意見や、街によってしっくり来る・来ない場所があるのは、DNAの相性があるのかも?!という声も飛び出しました。

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考えたいお題をみんなで出し合う

縁パブの面白いところは、ファシリテーターが対話のテーマを設定するのではなく、参加者自身が話し合いたいお題を出し合って決めること。皆さんから出されたお題案が、どれも気になるものばかり・・・!

● 大人になって、新たに住んだ土地を“ホーム”と呼べるようになるには?

● “地続き”の地域でどう生きて、どう死ぬのか?

● そもそもホームタウンって必要?

● 住んでいる街がホームタウンとは限らないとすると、どう地域とどうつながる?

● その土地に根付いたな、って感じる時って・・・?

● 「フィットする土地」とは何か?(DNAに響くとは?)

みんなで話し合った結果、「大人になって、新たに住んだ土地を“ホーム”と呼べるようになるには?」「“地続き”の地域でどう生きて、どう死ぬのか?」というテーマについて考えることになりました。それぞれについて、出された意見を簡単にご紹介します!

Q. 大人になって、新たに住んだ土地を“ホーム”と呼べるようになるには?

真剣に生きた場所で出会った人とは密なつながりが生まれる。だから、生活の中で大部分を占める「仕事」をその街でしていないと、ホームとは思えないのでは。逃げられないぶん、しがらみは多いが、だからこそホームという感覚を持てる。

・仕事をしていなくてもそこがホームタウンだと思う人もいれば、自分のように仕事をしていても思えない場合もある。なぜ?

・馬が合う人、合わない人がいるのと同じで、街にも「人格」のようなものがあり、しっくり来る場所、来ない場所がある。時に突っぱねられる父親っぽさもあり、受け入れてくれる母親っぽさもある。街の精神分析をしてみると面白そう。
→ ホームタウン=家族的要素+街。 エピソードがたくさんある、というのは一つの要素なのでは。

・その街に自分が馴染めるかどうかは、その時のモードにもよる。気持ちや置かれた状況によって目に入ってくるものも変わってくる(大人になってから仲良くなる友人がいたりするのと似ているかも)。

・人の空間感覚、時間感覚によって街との相性がありそう。たとえば、起伏や川の位置など。

・子どもの頃育った街に、どんどん建物が作られていくのを見てきたから、「これ」と思い浮かぶ風景がない。変わらない風景がある、というのはホームタウンの一つの要素かも。

Q. “地続き”の地域でどう生きて、どう死ぬのか?

・地主が多く、その土地にずっと住んでいる人が多い街は、いつ帰ってきても顔ぶれがあまり変わらない。

・今の時代、「ここでしか生きられない」ということもない。「地縁は断ち切ろうと思えば簡単だが、そういうもんでもないだろう」と。

・街の“人格”の話でいうと、横浜の人たちは横浜愛が強いが、よそ者に対してもオープン。博多もそういうところがある。港町の特徴か?

・その土地に根付きやすい「土の人」と転々とする「風の人」がいるとすると、自分が後者。そういう人にとっては、土の人も風の人も融合できる人格を持つ街が肌に合うのかも。

・昔の「藩」は、川や山脈など自然の地形で分かれていた。徒歩で行ける範囲、触れ合える範囲だとがホームの感覚を共有できるのでは。

人は、意外と自分の意思だけで自由に動けない。親の介護やお墓など現実的な問題を考えると、自分が生きて、死ぬ場所を選択せざるを得ないこともある。
→ お墓=家族+土地。 どこで一生を終えたいか、お墓がどこにあるか、守るのか閉じるのか・・・といった要素は、ホームタウンを考えるうえで重要かもしれない。

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中間ふりかえり

2つのお題についてたっぷり対話したあとは、それぞれの気付き、新しく生じた疑問についてふりかえり、共有しました。

・徒歩圏や起伏など、空間はやっぱり大切!と改めて思った。/
国際結婚で外国に住んで、亡くなるときはどこを選ぶのだろう?また、「根付く」のは選択?

・人間関係と一緒で、いろんな街に住んでみないと街の人格はわからないかも。/
「ホームタウン」に求めるものは年齢やライフステージによって変わる?

・人は自由ではない、ということを忘れてはいけないと気付かされた。/
街の人格は、そこに住んでいる人たちの集合意識のようなもの。ぜひ精神分析を!

街の愛着はエピソードと比例する、ということを頭に置いて地域づくりに活かしたい。/
一方で、自分はどこにも根付けないかもなぁというもやもやも残る。「しがらみがあってもここで暮らすんだ」という街が見つけられるのか?
(→ 結婚と同じで、選択というよりも「この街と生きる」と受け入れる覚悟の問題?!という声もありました)

・自分が今いる街に根付けないなと感じていたのは、お墓(家族+土地)がないからか!と腑に落ちた。
その街に根付くなら、そこにお墓をつくったり、人とぶつかり合うエピソードをつくったりするのも一つの方法かも。

あらためて・・・あなたにとってホームタウンとは?

最後に、これまでの対話を踏まえて、それぞれにとってのホームタウンを言語化しました!

● 共に生きると自分が受け容れた街。

● (状況に押されて根付くことになった末に)お墓があるところ。

● (まだ見つかっていないけれど)少し先の未来のわたしの生きる道。

● 街の記憶(一代限り)。

● はっきりした理由はなくても、何となく「ここが自分の居場所」と思える街。

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いかがでしたか?
実は、ホームタウンというテーマでやろうと決めたときには、「どう生きるか、死ぬか」といった深い話になるとは思いもしませんでしたが、参加者自らがお題を決めて話し合うからこそ、主催側の予想を軽々と飛び越え、予定調和に収まらないのが縁パブならではの奥深さであるとあらためて気づかされました!

これからもエンパブリックは、「そうそう!そのテーマで話してみたかった」という問いかけをし、対話を通じて深めていくプログラムを企画していきたいと思います。本レポートのご感想や、今後開催する講座やワークショップのリクエストがありましたら、ぜひお気軽にご連絡くださいね。
Eメール:info[アットマーク]empublic.jp

【次回予告】
3/18(金)19:00-22:00「(平成生まれの)やる気スイッチはどこにある?」をテーマに縁パブを開催します!
会社で、組織で、平成生まれの後輩との接し方に疑問を感じている方、わかってもらえていない!誤解されている!と感じている平成生まれの方など、ぜひ一緒に対話しましょう♪

お申込みはこちらから⇒http://peatix.com/event/155001